こんにちは、つよしです。
先日のPETRAシーケンスに似たような描出がP社のMRIでもできないか?
みなさまの意見を募集しましたが、残念ながら意見はゼロでした。
まあ、同じようなシーケンスはないので無理ということで。
今回は腎動脈のMRAについてです。
P社は腎動脈が苦手なので、S社に期待していたのですが。
結果的にはP社とあまり変わりませんでした。
私が装置をいじるのはP社だけ。
全部S社に任せる予定でしたが、S社も腎動脈が苦手。
それなら自分でP社の装置で腎動脈の条件を再確認するしかありません。
他社では昔から腎動脈をキレイに描出できますが、P社では同じようなシーケンスはありません。
そこでTFEPIというシーケンスを使用します。
これはTFEとEPIを合わせたものです。
FE法より早く、EPIよりアーチファクトを少なくという、いいとこどりしたシーケンスになります。
これを呼吸に同期して、さらに心拍にも同期させます。
心拍のどの時相に収集するかというのがポイント。
P社は任意のタイミングを入力できますが、収縮期や拡張期などを選ぶこともできます。
血流がビュッと流れないように拡張期の方がいいみたいですが。
ただ、心拍は指につけるPPUで測定しています。
指で測定する拡張期では収集するタイミングが遅いようです。
ということで自分を収縮期と拡張期で撮像してもらいました。
収縮期の方がキレイに描出されています。
拡張期だと大動脈のところの信号が欠損しています。
この現象は理解が難しいところですが、収集するタイミングが遅いということですかね?
収縮期に設定するのが無難です。
収縮期にトリガーがかかっても、まずはスライス断面の信号を消すために反転パルスを印加します。
この時間が126msくらいかかって、それから信号収集です。
おそらくそのくらいの時間が拡張期に設定するより、収縮期の方がいいのでしょう。
あとは収集する時間です。
TFEファクタとEPIファクタを変更して収集時間を変えます。
長い間収集すると血流が欠損してしまいます。
でも、短い時間しか収集しないとトータル撮像時間が長くなってしまうのです。
142ms間収集と106ms間収集で比較です。
ふたつを比べるとそこまで変わりません。
変わらないなら収集時間は長い方がいい。
あとは位相方向の設定ですね。
APにすると撮像時間を短縮できますが、呼吸によりアーチファクトが発生します。
位相方向をAPにして加算を2回にするという方法がありますが、私はRL方向に設定しています。
どちらがいいかは人による感じです。
腎動脈はたまにしか依頼がなく、うまく撮像できずに困ってしまうことがありました。
今回の検討で私の腎動脈の場合は、そこそこキレイに写るようになりました。
同期撮像なので実撮像時間は心拍、呼吸によりますが、7分くらいかかってしまいます。
もうちょっと速く、キレイに写るといいのですが。
以上です。
さようなら!