腎動脈をいつもキレイに描出できたらなと思う件

投稿者: | 2023年11月21日

こんにちは、つよしです。

 

先日のPETRAシーケンスに似たような描出がP社のMRIでもできないか?

みなさまの意見を募集しましたが、残念ながら意見はゼロでした。

 

まあ、同じようなシーケンスはないので無理ということで。

 

今回は腎動脈のMRAについてです。

P社は腎動脈が苦手なので、S社に期待していたのですが。

 

結果的にはP社とあまり変わりませんでした。

私が装置をいじるのはP社だけ。

 

全部S社に任せる予定でしたが、S社も腎動脈が苦手。

それなら自分でP社の装置で腎動脈の条件を再確認するしかありません。

 

他社では昔から腎動脈をキレイに描出できますが、P社では同じようなシーケンスはありません。

 

そこでTFEPIというシーケンスを使用します。

これはTFEとEPIを合わせたものです。

 

FE法より早く、EPIよりアーチファクトを少なくという、いいとこどりしたシーケンスになります。

 

これを呼吸に同期して、さらに心拍にも同期させます。

心拍のどの時相に収集するかというのがポイント。

 

P社は任意のタイミングを入力できますが、収縮期や拡張期などを選ぶこともできます。

血流がビュッと流れないように拡張期の方がいいみたいですが。

 

ただ、心拍は指につけるPPUで測定しています。

指で測定する拡張期では収集するタイミングが遅いようです。

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ということで自分を収縮期と拡張期で撮像してもらいました。

収縮期の方がキレイに描出されています。

拡張期だと大動脈のところの信号が欠損しています。

 

この現象は理解が難しいところですが、収集するタイミングが遅いということですかね?

収縮期に設定するのが無難です。

 

収縮期にトリガーがかかっても、まずはスライス断面の信号を消すために反転パルスを印加します。

この時間が126msくらいかかって、それから信号収集です。

おそらくそのくらいの時間が拡張期に設定するより、収縮期の方がいいのでしょう。

 

あとは収集する時間です。

TFEファクタとEPIファクタを変更して収集時間を変えます。

長い間収集すると血流が欠損してしまいます。

でも、短い時間しか収集しないとトータル撮像時間が長くなってしまうのです。

 

142ms間収集と106ms間収集で比較です。

ふたつを比べるとそこまで変わりません。

変わらないなら収集時間は長い方がいい。

 

あとは位相方向の設定ですね。

APにすると撮像時間を短縮できますが、呼吸によりアーチファクトが発生します。

 

位相方向をAPにして加算を2回にするという方法がありますが、私はRL方向に設定しています。

どちらがいいかは人による感じです。

 

腎動脈はたまにしか依頼がなく、うまく撮像できずに困ってしまうことがありました。

 

今回の検討で私の腎動脈の場合は、そこそこキレイに写るようになりました。

同期撮像なので実撮像時間は心拍、呼吸によりますが、7分くらいかかってしまいます。

 

もうちょっと速く、キレイに写るといいのですが。

 

以上です。

さようなら!

 

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カテゴリー: MRI