こんにちは、つよしです。
現在、私の所属する施設では3.0T MRI装置が2台あります。
P社とS社。
P社の方は設置後10年経過しています。
一方、S社は稼働してまだ2ヶ月。
同じ磁場強度ですが、メーカーが異なること、製造された時代も違うので画像には差があります。
この2ヶ月で問題になったことがいくつかありました。
1.ASLの画像が違いすぎる。
予想はしていましたが、脳のASLがぜんぜん違います。
これでは経過観察に使えないのではないでしょうか。
また、ASLはカラーマップにしていますが、そもそもカラーの色合いが2社で異なるのです。
同じような画像になることはありません。
購入する前から予想できましたが、患者さんにとってはデメリットになります。
ただ、他の脳画像についてはそこまで違いはありません。
さすがにS社の方が新しいのでSNは高いですが。
比較はできるレベルだと思います。
脳のMRAについては、多少S社の方がキレイです。
ここはP社の装置も設定を変更すれば同じような画像になりますが、時間が延長するのでナシです。
ということで脳においては、ASL以外はまあまあ大丈夫といったところでしょう。
P社と違うのは自動位置合わせが任意の設定を覚えさせることができません。
決まった角度のみ。
これはP社のいいところ。
また、自動MIPも決まった角度しかS社はできません。
P社は撮像後何もしなくてもMIPができますが、S社は再構成しないといけません。
慣れていないスタッフにはつらいところです。
2. 2D SEはS社がキレイすぎる
新しい装置だから当然かもしれませんが、S社の装置で素晴らしいのは整形系の画像です。
deep resolve boostというdeep learningを用いた画像再構成です。
衝撃的なSNです。
脊椎や四肢でこれまで見たことのない画像が撮れます。
そのおかげでP社の装置で四肢を撮像する気がなくなってしまいました。
整形系の依頼は少ないので、S社1台でなんとかなっています。
時代の違う装置だと、どうしてもこういうことが起こります。
経営の面がありますが、どうせなら新品を同時に購入がいいですね。
2台の装置で大きく異なるのはこんなところです。
古いP社の装置も頭部、腹部はそれなりに大丈夫なので運営上はなんとかなっています。
ただ、根本的な画像の作り方みたいなものは違うので、メーカーが異なる装置を購入するときは大変だと知っておいた方がいいでしょう。
以上です。
さようなら!