1.5Tで「FRACTURE」の条件を作成しようと思ったけれど無理だった件

投稿者: | 2021年7月27日

こんにちは、つよしです。

 

先日、紹介したMRIの撮像条件の「FRACTURE」ですが、依頼がわりとあるので1.5Tでも条件を作成することにしました。

 

しかし、結果から言うと3Tとあまりに違うので、条件を作成することはやめました。

 

理由は2つです。

 

1つ目はSNが低いことです。

 

3Tでの「FRACTURE」はSNが高く、3Dでの撮像なので再構成の断面であってもほとんど画像劣化を感じません。

 

1.5TではSNが低いのでスライス厚を薄くすることが困難です。

スライス厚を薄くしてSNを確保しようとすると、とても撮像時間がかかってしまいます。

 

3Tよりスライス厚を厚くして撮像すると、再構成に耐えられる画像になりません。

 

任意の断面から再構成できるのが「FRACTURE」の強みですからね。

 

1.5Tで試したのは一番SNが高いと感じる膝用のコイルです。

それでダメだったので、ほかのコイルでは話にならないでしょう。

 

ということで1.5Tでは「FRACTURE」は難しい。

 

 

2つ目はin phaseのTEが長いのでボケることです。

 

「FRACTURE」はin phaseの4つのTEを重ねます。

 

3Tで4つのTEは2.3、4.6、6.9、9.2です。

 

1.5Tでは4.6、9.2、13.8、18.4となります。

 

これでは3Tと比較すると1.5Tでは圧倒的に遅いのですね。

 

時間間隔があいたTEの画像を重ねるとボケるのです。

 

3Tが1.5Tの延長線上にあるわけではないのですね。

スポンサーリンク

条件を1.5Tなりにあわせても、似たような画像にはなりませんでした。

 

では、TEをもっと短い間隔で重ねたらいいかもと思うかもしれませんが、

それではin phaseにならないので、位相がずれて画像がボケます。

 

TEを2つだけとか3つ重ねるなんてことも考えますが、それではSNが上がりません。

 

結果は無理だな。

あきらめることにしました。

 

「FRACTURE」の依頼のときは3Tで撮像しないと仕方ないです。

 

はやく1.5Tを更新して3Tにしてくれたらいいのですけど。

 

病院は儲かっているわけではないので、なかなか装置更新は進みません。

当院の1.5Tは残念ながら正式な保守ができないほど老朽化しています。

 

ホントははやく更新しないといけないのですけどね。

 

私がどうこうできる問題でもありませんし。

 

ここはがまんして3Tでがんばることにしましょう。

 

以上です。

さようなら!

 

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

カテゴリー: MRI