DWIをT2スターに変更してみた件

投稿者: | 2021年7月14日

こんにちは、つよしです。

 

今回はMRIの時間短縮についてです。

 

私の勤める病院では脳のMRI検査時間を短縮するよう依頼がありました。

 

血管内治療をしているので、少しでもはやく検査をしたいということです。

 

そこでT2スターを短縮することにしました。

 

元ネタは新別府病院の加藤さんの記事です。

T2スターをGREからGRE-EPIに変更するというものです。

 

当院ではGREのT2スターを撮像していましたが、1分14秒という撮像時間でした。

私としては1分ちょっとなので、そこまで長い時間ではないし、このままでいいのではないかと考えていました。

 

でも、少しでも撮像時間を短縮して欲しいという依頼があれば答えなければいけません。

 

新別府病院の加藤さんには何度かお会いしたことがあります。

とても熱い男です。

MRIの情熱がすごいです。

 

私はGREからGRE-EPIに変更しようとか思ったこともありませんでした。

いいネタを教えくれた、加藤さんありがとうございます。

 

加藤さんの施設とは違う装置なので直接マネできません。

そこで自分なりにGRE-EPIの条件を作成しました。

 

普段、使用しているEPIの撮像といえばDWIしか思いつきません。

ということで、DWIの条件をT2スターに変更していきます。

 

使用装置はフィリップス社 Ingenia 3.0Tです。

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ますはDWIのMPGを印加するのをやめるためDiffusion modeをYESからNOに変更します。

 

scan techniqueをSEからFFEに変更。

 

ゆがみを減らすためSingle shotをmultishotに変更。

 

k-spaceの分割具合を表すEPI factorを5に。

 

TRはshortestに変更(561ms)。

 

TEは18msに変更。

 

Half scanをnoに変更。

 

ボクセルサイズを0.9×0.9mmに変更。

 

Flip Angleを15°に変更。

 

脂肪抑制をnoに変更。

 

加算を2に変更。

 

Flow compensationをYESに変更 (脳幹のCSFアーチファクト対策)。

 

これでT2スターになりました。

撮像時間はスライス厚5mm、ギャップ1mm、22枚で31秒です。

 

T2スター (磁化率) の強調具合はTE、ボクセルサイズで調節します。

 

TEを長くするほど、ボクセルサイズを大きくするほど、T2スターを強調するようになります。

 

Flip Angleは大きくするほどT1強調になります。

通常のT2スターのように脳実質を黒く、脳脊髄液を白く描出するためにはFlip Angleは小さめがよいです。

 

何気に今までの半分の時間の30秒です。

実際、使用するとすごくはやくなった気がします。

 

しかも、今までのT2スターとほとんど描出能は変わりません。

試してみてよかった。

 

この条件は当院で使用しているGREのT2スターと比較すると、ほんの少しSNが低く、T2スターの強調がほんの少し強い感じでした。

 

単独で見るとほとんど違いはわからないと思います。

驚くほど簡単に作成することができました。

GRE-EPIは一度試してみる価値があると思います。

 

勉強会が開催されないので、最近は加藤さんにお会いする機会がありません。

ですので、ここでお礼を「新別府病院の加藤さん、ありがとうございます」。

 

以上です。

さようなら!

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カテゴリー: MRI