MRIでVessel Wall Imagingをやってみたら驚くほどキレイに撮像できた件

投稿者: | 2024年10月2日

こんにちは、つよしです。

 

最近、MRIで新しい撮像をしないので退屈していました。

新しいS社の装置は後輩に任せてあるので、私の出番はなし。

 

毎日ルーチン検査ばかりでは腕がなまるというものです。

たまには私の出番もほしい。

 

そんなふうに思っていたときに、脳血管の評価でVessel Wall Imaging:VWIを依頼されました。

 

VWIは破裂動脈瘤の同定や血管壁の炎症など描出する目的で撮像されます。

めったにない検査で、まだP社の装置では撮像した経験がありません。

 

新しいS社で検査した方が無難ですが、S社の装置でもキレイに撮像できるほど優位性はありません。

 

それならP社の装置で撮像してもいいんじゃない?

やっと私の出番がきました!

 

やったことのない検査となるとウズウズするのです。

子供のころに新しいおもちゃを与えられたときのように。

 

本来のVWIはiMSDEという技術を用いて撮像します。

でも、私の扱う装置にはiMSDEがはいっていない。

 

どうしようかと思っていましたが、メーカーの人に相談すると案外iMSDEなしでも大丈夫のようです。

 

それならやってみるしかない。

P社の装置は古いといっても、最新の1歩手前くらいのバージョンなので、そこまで古くはない。

 

ということでVWIをやってみることにしました。

VWIは簡単に言うとBlack BloodのT1強調です。

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同じ撮像を造影剤アリとナシで行うだけです。

2つの画像を比較して造影された部分があれば、その場所に病変があるというわけです。

 

大切なのは造影後も血管をBlack Bloodにすることです。

iMSDEがはいっていないので、RFAを低くしてSaturation pulse を頭尾方向に印加し3D SEで撮像するという古典的なものです。

 

さらにT1強調を強くするためにAnti drive pulseも付加していました。

この検査でとても大切なのでは頭を造影前後で動かさないということです。

 

これは患者さんの理解がとても大切。

このため、検査前に必死で説明して協力してもらいました。

 

あとは造影剤を注入するときに頭が動かないように、インジェクターを用い検査前から造影剤を接続した状態にします。

 

気合いをいれただけあって、検査はバッチリ、とてもキレイな画像が撮像できました。

 

3Dの細かい画像なので再構成を造影前後でまったく同じ位置合わせで作成し、完璧な検査ができました。

 

検査前に予想した中で最もいい状態の画像が撮れました。

これは充実感があります。

 

やっぱり新しい検査をするのはおもしろい。

それがさらにいい画像だと、とてもテンションが上がります。

 

いつもは後輩に任せていますが、自分でやる方が100倍おもしろい。

やっぱりMRIの現場が好きなんだなと認識した出来事でした。

 

以上です。

さようなら!

 

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カテゴリー: MRI