肺静脈をMRIで描出してと言われてやってみると驚くほどキレイに撮れた件

投稿者: | 2021年8月4日

こんにちは、つよしです。

 

MRIって施設によると思いますが、たまにしかない検査が多いですよね?

 

先日、肺静脈はMRIで撮像できますか?

 

と聞かれたので、たぶん大丈夫だろうと思って返事をしました。

 

肺静脈の撮像は、ほぼやったことがありませんでしたが、まあ、いけるのではないかと返事をしました。

 

私の矜持としてMRIで頼まれたことは極力達成したいのです。

 

そうじゃないと、自分が自分でいる理由がないと思っているので (おおげさ)。

 

それでも、依頼を受けたからにはキッチリ遂行したいのです。

 

調べていると、3DのSTIRで心臓の拡張期に同期すれば、肺動脈と静脈は分離できませんが、キレイに撮像できそうでした。

 

あらかじめ条件を作成して、いざ実践です。

 

これが想像以上にバッチリでした。

 

肺動脈、静脈はもちろん冠動脈までもがキレイに見えてしまいました。

 

冗談だろと思うくらいです。

 

今、装置の前にいるわけではないのでハッキリ条件を覚えていないですが。

 

1.5T装置 (フィリップス)で3D STIR、TR:1ビート、TE:60ms、FOV:300×300、コロナル、

スライス厚:3 / -1.5 mm、心拍のトリガーを拡張期に設定 (longest)、TSE factor:45、横隔膜同期も使用、自然呼吸で撮像です。

 

60心拍で2分30秒程度の撮像時間です。

 

実際には横隔膜同期するのでもっと時間はかかります。

 

それでも5分程度ではないですかね?

 

想像以上にキレイすぎて驚いてしまいました。

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逆に、あまりにキレイすぎて不思議になったので理由を考察してみました。

 

対象の患者さんは心拍が遅く50くらい。

拡張期に心臓が止まっている時間が長かったのです。

 

これで収集時間の間ずっと心臓が止まっているような感じだったのではと推測されます。

このため冠動脈までもキレイに描出されたと考えます。

 

また、呼吸の仕方も安定していました。

これで横隔膜の位置が一定になることがよかったのだと思います。

 

はじめて、3D STIRで心拍、横隔膜同期を撮像しましたが、おそらく最高の被写体だったのではないでしょうか?

 

MRIはこんなにキレイに撮像できると思って、違う患者さんを依頼されると、うまくいかなそうな予感がします。

 

ただ、Balancedシーケンスではないので、磁化率の変化には強く、そこそこ均一に描出されるのではないかと思います。

 

高心拍や不整脈、呼吸が安定していない患者さんだと不安はありますね。

 

肺静脈は年に何度も頼まれる部位ではないので、とりあえず心配しなくてもいいかと思っています。

 

肺動脈、静脈の撮像には3D STIRで心電図同期しつつ横隔膜同期はオススメです。

 

以上です。

さようなら!

 

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カテゴリー: MRI