磁気共鳴専門技術者試験 解答 第14回 36-40問目
こんにちは、つよしです。
第14回36-40問目です。
36) MR 画像を以下に示す.アーチファクトへの対処方法で正しいのはどれか. 2 つ選べ.
- 撮像時間を短くする.
- 高磁場装置を使用する.
- 表面コイルを使用する.
- 周波数エンコード方向をL-R 方向に変更する.
- 位相エンコード方向のオーバーサンプリングを行う.
正解は4, 5です。
折り返しアーチファクトの問題です。撮像時間、高磁場は関係ありません。コイルは関係ありますが、図の領域では折り返しを防ぐのは困難です。
折り返るのは位相エンコード方向のみなので周波数エンコードをL-Rにするか、位相エンコード方向にオーバーサンプリングを行います。
37) MR 画像を以下に示す.発生しているアーチファクトの原因はどれか.
- 血流
- 体動
- 磁化率
- 折り返し
- 化学シフト
正解は3です。
38) 水とサラダ油を混合したファントムのMR 画像を以下に示す.a の波線で囲まれた部分を拡大した画像がb,c,d であり,それぞれ受信バンド幅を変化させて撮像している.正しいのはどれか. 3 つ選べ.
- c はb よりも受信バンド幅が広い.
- 位相エンコード方向はL-R である.
- SNR が最も高くなるのはd である.
- アーチファクト(位置ずれ)は一般的に,サラダ油で生じる.
- アーチファクト(位置ずれ)は静磁場強度が強いほど生じやすい.
正解は1, 4, 5です。
化学シフトアーチファクトの問題です。b→c→dの順に位置ずれが小さくなっているので、受信バンド幅はb→c→dの順に広くなっています。
1はそのまま。
2の化学シフトアーチファクトは周波数エンコード方向のみおきるのでL-R方向が周波数エンコード方向です。図ではLR方向にずれてますから。
3のSNRが最も高いのは受信バンド幅のせまいbです。
4の化学シフトアーチファクトは水に対する脂肪のずれなので正解。
5はそのまま。
39) 脳出血のMRI 検査に関する正しい記述はどれか. 2 つ選べ.
- 慢性期はT1 強調像で高信号を示す.
- 急性期はT2 強調像で高信号を示す.
- 超急性期はT1強調像で高信号を示す.
- メトヘモグロビンはT1 短縮効果を示す.
- 亜急性期はT1 強調像で辺縁から中心に向かって徐々に高信号を示す.
正解は4, 5です。
1の慢性期はT1強調像で等信号です。
2の急性期はT2強調像で等~やや高信号です。微妙です。
3の超急性期は等信号です。超急性期の血球成分はオキシヘモグロビンで反磁性なので信号の変化はありません。
4のメトヘモグロビンは常磁性なので、T1短縮効果があります。
5はそのまま。
40) 脳の造影MRI に関する正しい記述はどれか. 2 つ選べ.
- 松果体は早期に増強効果を示す.
- 髄膜腫はリング状の増強効果を示す.
- びまん性星細胞腫は強い増強効果を示す.
- 造影剤は血液脳関門の破綻した部分で血管内の造影増強効果を示す.
- 小さな転移性脳腫瘍の検出が求められる場合は倍量投与が有用である.
正解は1, 5です。
1の松果体は血液脳関門がないので造影されます。
2の髄膜種は均一に造影されます。
3のびまん性星細胞腫は増強効果はないようです。
4は血管内の増強ではなく、細胞自体の増強効果と思います。
5はそのまま。
今年の夏(2020年)もあついですね。こんなあつい日はMRIの認定試験を解くに限るね(笑)。
以上です。
さようなら!