磁気共鳴専門技術者試験 解答 第12回 16-20問目

投稿者: | 2020年5月19日

磁気共鳴専門技術者試験 解答 第12回 16-20問目

 

こんにちは、つよしです。

今回は16-20問目です。

 

16)1H-MRS について正しい文章を選択して下さい。(正解2 つ)

 

  1. NAA は正常ニューロンの指標である。
  2. コリン(Cho) は悪性腫瘍で上昇する。
  3. 乳酸(lactate)は虚血領域で低下する。
  4. 脂質(lipid)は放射線壊死領域で低下する。
  5. Cho/NAA(N-acetyl-aspartate)は悪性度診断に有用である。

 

正解は1, 2です。

 

1, 2はそのまま。

3の乳酸(lactate)は虚血で上昇です。

4の脂質(lipid)は放射線壊死で上昇です。

5はCho / NAAではなく、NAA / Cr、Cho / Crのようです。

 

17)シングルショット高速スピンエコー法を用いたT2 強調像においてブラ−リングを低減する方法を選択して下さい。(正解2 つ)

 

  1. TE を長くする。
  2. 長方形FOV を使用する。
  3. パラレルイメージングを使用する。
  4. オーバーサンプリング法を使用する。
  5. プリサチュレーションパルスを使用する。

 

正解は2, 3です。

ブラーリングはETLを減らせばよいので2, 3は正解。

1, 4, 5ではETLは減りません。

 

18)1H-MRS の特徴について正しい文章を選択して下さい。(正解2 つ)

 

  1. STEAM 法はスピンエコー信号を計測している。
  2. PRESS 法はSTEAM 法に比べて信号雑音比が良い。
  3. PRESS 法はT2 値の短い代謝物質の計測に適している。
  4. 長いTE による計測でなければ評価が難しい代謝物としてmIns, Glx, GABA 等がある。
  5. Chemical shift imaging(CSI)法は各代謝物の代謝画像(metabolic image)を作成できる。

 

正解は2, 5です。

 

1のSTEAM法はその名の通りstimulated echoです。

2はそのまま。PRESS法はTEが同じならSTEAM法のSNは2倍です。

3のPRESS法はT2の長いものに適しています。

4のmIns, Glx, GABAは短いTEで測定です。長いTEはNAA, Cr, Cho, lactate, クエン酸など。

5はそのまま。

 

19)高速イメージング技術について正しい文章を選択して下さい。(正解2 つ)

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  1. スパイラルスキャンの信号取得k 空間座標は極座標系である。
  2. 圧縮センシングは収集データから少数サンプリングによって画像を圧縮する方法である。
  1. SENSE(sensitivity encoding)法を用いた場合、SNR は用いない場合の√R(reduction factor)倍となる。
  1. Parallel imaging はk 空間を間引いて信号を取得し、複数コイルの空間的な感度差を利用して画像を作成する。
  1. SMASH(simultaneous acquisition of spatial harmonics)法はフーリエ変換後に折り返しを展開する方法である。

 

正解は1, 4です。

 

1はそのまま。

2の圧縮センシングは画像を圧縮する方法でなく、少ないデータから画像を作成する方法です。

3のSENSEのSNRは1 / g√Rです。g(ジオメトリーファクタ)。

4はそのまま。

5のSMASHはフーリエ変換前にk空間内での画像処理です。

 

20)図中の矢印が示すアーチファクトについて正しい文章を選択して下さい。

(正解3 つ)

  1. 位相方向のみに発生する。
  2. FOV を広くすると防ぐことができる。
  3. オーバーサンプリングを用いると防ぐことができる。
  4. プレサチュレーションパルスを用いると防ぐことができる。
  5. サンプリング間隔が標本化する周期の半分より小さい場合に発生する。

 

正解は2, 3, 4です。

 

定番の折り返しアーチファクトです。

1の位相方向のみ折り返すので正解かと思いましたが、原理的には周波数方向にも折り返します。

2, 3, 4はそのまま。

5のサンプリング間隔が標本化する周期の半分より大きいときに発生します。

 

問題を解いていると、例年似たような出題がありますね。

これは過去問をやれば大丈夫とも言えます。

最近は暇なので、よく過去問を解いています。

今年、私が試験を受ければ受かるなぁと思います(笑)。

以上です。

さようなら!

 

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カテゴリー: MRI