磁気共鳴専門技術者試験 解答 第12回 11-15問目
こんにちは、つよしです。
今回は11-15問目です。
暇なときは専門試験の過去問と解くに限るね(笑)。
11)MR 血管撮像(MRA)について正しい文章を選択して下さい。(正解2 つ)
- Gd 造影剤投与後に撮像すると血管の描出能が向上する。
- TOF 法にMT パルスを印可すると流れの速い血管の描出能が向上する。
- PC 法のVENC(velocity encoding) 値を大きくすると流れの遅い血管の描出能
が向上する。
- 脳血流の低下が予想される場合、TOF 法においてはTE を延長することで血管の描出能が向上する。
- TONE(tilted optimized non-saturating excitation)法は異なる励起フリップ
角を用いて飽和効果を減少させることができる。
正解は1, 5です。
1のGd造影剤を使用すると血液のT1も短縮するので血管描出能も向上します。
2のMTパルスを印加すると、例えば脳では実質などの信号が低下し、血管の描出能が向上します。どちらかというと遅い流れの血管描出の改善ですね。
3のPC法のVENC値は大きくすると速い流れ、小さくすると遅い流れが描出されます。
4のTOF法ではTEを延長しても血管描出能は改善しないです。T1強調なのでTE延長で血管が見えることはないでしょう。
5はそのまま。
12)TR 3000 ms、TE 80ms、ETL 64、NEX 1、Nx 256、Ny 192、Nz 32 に設定した3 次元高速スピンエコー法の撮像時間を選択して下さい。(正解1 つ)
- 288 秒
- 384 秒
- 576 秒
- 768 秒
- 2,304 秒
正解は1です。
撮像時間はTR×位相エンコード×(3Dの場合、スライスエンコード数) / ETLなので3000×192×32 / 64 = 288,000ms = 288sです。
13)比吸収率(specific absorption rate)について正しい文章を選択して下さい。
(正解3 つ)
- 単位はW/min で表される。
- 静磁場強度の2 乗に比例する。
- フリップ角の2 乗に比例する。
- Duty cycle の2 乗に比例する。
- 水分含有量の少ない組織(脂肪、骨髄)は水分含有量の多い組織(血液、脳脊
髄液)より小さくなる。
正解は2, 3, 5です。
1のSARの単位はW / kgです。
2, 3はそのまま。
4のフリップ角は2乗ではなく普通の比例です。SAR ∝ D (B0×θ×R)2です。
5たぶん正しいと思われます。
14)B1+rms の低減方法について正しい文章を選択して下さい。(正解1 つ)
- エコー時間を短くする。
- 受信バンド幅を狭くする。
- 繰り返し時間を短くする。
- ピクセルサイズを小さくする。
- エコートレイン数を少なくする。
正解はたぶん5です。
B1+rmsはRFを送信する磁場の強さですね。
rmsはマイナスになったりするので、強さを表すため2乗して平方根をとっていると思われます。
エコートレイン数を小さくするとSARが下がるように、B1+rmsも下がると思います。
15)EPI 法による拡散強調像について正しい文章を選択して下さい。(正解3 つ)
- b 値の単位はsec/mm3 で表される。
- 縦緩和の影響を排除するためTR を長く設定する。
- 歪み対策として周波数方向のマトリクス数を少なくする。
- 位相エンコードステップ数の低下はアーチファクトの発生やSNR の低下を引き起こす。
- 空間分解能を維持して位相エンコード数を減らす方法として、パラレルイメージング・half scan・長方形FOV がある。
正解は2, 3, 5です。
1のb値の単位はsec / mm2です。ちなみにADCはmm2 / sです。
2, 3はそのまま
4の位相エンコード数を低下するとSNRは低下しますが、アーチファクトは発生しません。ボケるだけですね。
5はそのまま。
最近はMRI対応インプラントが増加しているのでB1+rmsなども知っておかないといけないですね。
以上です。
さようなら!