こんにちは、つよしです。
本日はB&W「705 S3」のバイワイヤリングを試すことにしました。
「705 S3」は最初からバイワイヤリングで接続しているのですが。
シングルワイヤリングとバイワイヤリングの比較ですね。
以前、「705 S2 Signature」でシングルとバイワイヤリングを試しました。
そのとき、バイワイヤリングの方が音はよかったので、「705 S3」では試すこともなくバイワイヤリング接続をしていました。
でも、「705 S3」も一応、シングルワイヤリングを試すことにしました。
アンプはラックスマン「L-505Z」です。
シングルワイヤリングはハイ側接続、ロー側接続、それとバイワイヤリングの3つを試してみました。
シングル接続のときはスピーカー付属のショートバーでハイとローを接続しています。
結論から言うと、バイワイヤリングの効果はありました。
全体的に解像度が上がり、パワーアップした音、濃密な音になりました。
おそらく「オーディオ都市伝説」の第1位が「バイワイヤリングにすると音がよくなる」でしょう。
というのもアンプは1台でスピーカーは1組、接続する導線を2組に増やしてもやっていることはスピーカーのボイスコイルに電流を流すこと。
だから、スピーカーケーブルを2組にしても音はかわらないだろうというのが否定派。
いやいや、ウーハーが動く際に発電する電力がツイーター側に流れることによって起きる音質の劣化をバイワイヤは抑えるから音はよくなる。というのが肯定派。
私としましては原理はよくわからないけど、経験的に効果はあると思っています。
スピーカーの仕組みを掘り下げてみましょう。
スピーカーの断面図を見ると、ボイスコイル、磁石、振動板(ダイアフラム)でできています。
ボイスコイルに電流が流れると、磁石との間に力が発生する。この力でダイアフラムを振動させて、空気を振動させる。
振動した空気を音として私たちは認識しています。
まあ、そんなに複雑な仕組みではありません。
だから、スピーカーをいい音で鳴らそうと思ったら、正確な電流を流すことがスタート地点になります。
ここでバイワイヤリング優位説について。
シングルワイヤ接続では、低域用ウーハーが動いた時に発生する「逆起電力」が、ショートバーを通じて高域側ツィーターに流れ込むため、意図しない電流を高域側に流してしまう。
バイワイヤ接続にすると、ウーハーで発生した逆起電力がスピーカーケーブルを伝わりアンプまで戻り、再度アンプからスピーカーケーブルを伝ってツイーターへ流れることになる。
ショートバーで繋いだ時(シングルワイヤ)よりも長い距離を伝わるので、逆起電力が減衰し、影響が小さくなるというのがバイワイヤリング優位説になります。
逆起電力というのは、スピーカーが鳴る現象とまったく逆のことが起こることです。
ロー側では「電流→ボイスコイル→磁石→ダイアフラムの振動」で音を出したいだけだけど、ウーハーのダイアフラムが振動するので「ダイアフラムの振動→磁石→ボイスコイル→電流」で必要でない電流がハイ側に流れてしまう。
この影響を減らすためにバイワイヤにして直接ローからハイ側に電流が流れないように、アンプに電流を戻すことがバイワイヤリング接続のメリットと言われています。
シングルワイヤリングの場合は、ローとハイどちらをアンプと接続するかで逆起電力の影響が異なる可能性があります。
「705 S3」のマニュアルではシングルワイヤのときはハイ側に接続することを推奨してあります。
ハイ側の方が逆起電力の影響が小さいのかもしれません。
でも、ハイ側に接続しても結局、ウーハーで逆起電力は発生するので、ハイ側に不要な電流は流れる。
それでも、アンプとスピーカーのロー側に接続するよりマシかも。
こんな感じでハイとローのどちらがいいのかわからない。
こんなときは、自分で試すのが一番。
それでシングルワイヤリングではハイとロー、どちらも試してみましたが、結果としてハイとローの違いはまったくわかりませんでした。
何か違いを感じたかったけど、私の耳では無理でした。
他の人、または他の機器なら違いのがわかるのかもしれません。
でも、バイワイヤリングにすると劇的に変化しました。
これは誰にでもわかるというレベルです(たぶん)。
ウーハーの逆起電力を避けることができたのかはわかりませんが、バイワイヤリングだと明らかに音質は向上しました。
この結果から、シングル接続ではウーハーからの起電力の影響はあると考えていいでしょう。
だけど、バイワイヤリングにしても導線が長くなるだけで、逆起電力の影響はあるはず。
直接スピーカーのローからハイに電流が流れるか、アンプを介して電流がローからハイに流れるかの違いだけ。
ここで簡易的なアンプの回路図を提示します。
この図はシングルワイヤで、バイワイヤだともう1組、スピーカーからの導線が増えます。
2組の導線は増幅器のところで一緒になっているはず。
増幅器を介することで、ウーハーの逆起電力の影響を減らしていると推測しています。
そうじゃないと、バイワイヤリングにして音がかわる理由がないのです。
逆に言うと、バイワイヤリングはアンプの影響が大きいと思います。
アンプ側で逆起電力の影響を減らせなければバイワイヤリングの意味がない。
今回のラックスマン「L-505Z」ではバイワイヤリングの効果はあったけど、ほかのアンプだと効果はないかもしれません。
やはり自分のシステムで試すのが一番です。
バイワイヤだとスピーカーケーブル代が2倍かかります。
でも、今回の検討ではバイワイヤはとても効果的でした。
ケーブル代が2倍になっても、バイワイヤリングはオススメできます。
商業主義的に端子が2組なのかと思ったけど、効果があるので端子が2組あるんだと納得しました。
アンプとスピーカーがバイワイヤリングに対応しているなら、一度試す価値があるということです。
以上です。
さようなら!