MRI おすすめの本
今回はMRIおすすめの本を紹介します。
MRI 完全解説
発行者:秀潤社
著者:荒木 力
分厚いです。700ページ超!
内容はその名の通り大変詳しく、MRIの理解を深めたければおすすめです。
特徴としては磁場勾配と傾斜磁場という表現を導入している所です。両者は混同して使用されていますが、それを分けて解説しています。また、k空間について詳しく解説してあります。がっつり知りたい方におすすめ。
MRIの基本 パワーテキスト 第2版
発行者:メディカル サイエンス インターナショナル
著者:Ray H.Hashemi, William G. Bradley,Jr, Cristopher J. Lisanti
監訳:荒木 力
私がMRIの勉強を始めたころにお世話になった本です。
ほどほどに詳しく初心者におすすめです。
しかし、T1緩和、T2緩和に関するグラフが正確ではないため、この本しか読まなければ問題ありませんが、後で混乱することになります。
具体的には、T1回復とT2減衰が連続しているグラフがあります。
実際には、連続ではなく、T1回復とT2減衰は同時に起こっているため、そこを理解する必要があります。
アーチファクトの画像などは臨床画像を用いて、わかりやすいです。
MRIの基本 パワーテキスト 第3版
発行者:メディカル サイエンス インターナショナル
著者:Ray H.Hashemi, William G. Bradley,Jr, Cristopher J. Lisanti
監訳:荒木 力
第3版にパラレルイメージング、心臓、スペクトロスコピーの項目が追加されています。
第4版も出ましたね。
エラストグラフィーなんかも追加され、さらに充実しています。
初心者には最適な内容といえます。
ちなみに英語版も持っています。
英語と日本語両方で読むのもおもしろいです。
英語の勉強にもなります。
クイズMRI
発行者:秀潤社
著者:荒木 力
マニアックなクイズ仕立てです。
おもしろいけど内容にかたよりがあります。
鳩が磁場を感知していることとか興味深いです。
標準MRI 画像・図から学ぶ基礎と臨床応用
発行者:オーム社
著者:Donald W. McRobbie, Elizabeth A. Moore Martin J. 他
監訳:杉村和朗
おすすめです。10年ほど前の本ですが、ぜんぜん古く感じません。
臨床は少ないですが、基礎はとてもわかりやすいです。
パワーテキストの次はこれで理解を深めるといいと思います。
ただ古いのでまだ売っているかどうか。
しっかり学べる最新MRIスタンダード
標準MRIの新しい版です。2018年に発売されています。
新しい本も購入しました。わかりやすいです。
最新の内容にアップデートされています。
圧縮センシングなどもあります。
足りないと感じていた臨床編も追加されていてかなりオススメです。
MRI「再」入門
発行者:南江堂
著者:荒木 力
古いですが、結構くわしいです。
ラジオ波の話などわかりやすいです。
1999年の発行ですが、拡散のことなど書いてありびっくりです。
MRI「超」講義 第2版
発行者:メディカル サイエンス インターナショナル
著者:Allen D.Elster, Jonathan H. Burdette
監訳:荒木 力
Q&A方式で簡潔にまとめてあります。
古いですが、拡散やスペクトロスコピーなど広範囲の記述があります。
しかし、NSFの概念がないため、造影剤に関することは現在の認識と異なるところがあります。
これでわかる拡散MRI
発行者:秀潤社
編著:青木茂樹、阿部 修
題名の通り、拡散に関することが詳しく記載してあります。
b値、ADC map、FA、拡散テンソルなどこれで勉強しました。
臨床画像もたくさんありますので、拡散強調画像の役割が理解できると思います。
MRI 自由自在
発行者:メジカルビュー社
著者:高原太郎
T1強調やT2強調など強調の意味をこの本で学びました。
コントラストに関する概念はよく理解できます。
初心者向け。
1999年発行なので、フィルムに関することなど古い記載もあります。
改訂版 MRI 応用自在
発行者:メジカルビュー社
監修:蜂屋順一
編集:高原太郎、扇 和之
自由自在とガラッを変わり、パラレルイメージングやパルスシーケンスなど詳しく解説されています。
現在のいろいろな撮像を詳しく学ぶことができます。
臨床画像も豊富でいろいろな部位にMRIが応用されています。
MRI 応用自在 第3版
発行者:メジカルビュー社
監修:高原太郎
編集:高橋光幸、堀江朋彦、中村理宣、北川 久
応用自在の新しいバージョンです。
先端を行っています。
各社さまざまなシーケンスがありすぎてわからなくなっているMRIの世界ですが、詳しく解説してあります。
技術と臨床それぞれスペシャリストな方が書かれていますので、先端のことを学びたいときはおすすめです。
ただ、改訂版MRI 応用自在と内容がかなり変わっており、いい内容もあったので、もったいない気もします。
MRI 応用自在 第4版
第3版の新しいバージョンです。
2010年代後半からMRIの進歩は著しいです。
また、ブラックボックス化も進んでいます。
最新のMRIの知識が必要な方にオススメです。
MR撮像技術学
発行者:オーム社
監修:日本放射線技術学会
編集:笠井俊文、土井 司
MRIに必要な数学や装置の構成、検査法など多岐に及びます。
範囲が広いので内容はどうしてもうすい感じです。
この本の良いところは画像の評価法の記載です。
T1、T2値の測定法はこれで学びました。
認定試験に役に立つと思います。
改訂3版を購入しました。
最新の内容にアップデートされています。
初期のものに比べ臨床編が大幅に追加されています。
心から納得・理解できるMRI原理とMRS
発行者:医療科学社
著者:今西好正、徳原正則、小谷博子
MRIの原理が2ページずつで解説してあります。
簡潔にまとまっていて、これはこれでいいかなと思いますが、
ちょっとうすっぺらな感じです。
スペクトロスコピーについても同様にうすっぺらな感じです。
図をたくさん用いて解説してあるところは好感がもてます。
(2018.08.26追記)
短い文章でまとまっていて、最近はこの本好きです。
独特の味があります。
磁気共鳴スペクトルの医学応用
発行者:インナービジョン
監修:成瀬昭二
編集:梅田雅宏、原田雅史、田中忠蔵
スペクトロスコピーについて詳しく解説してあります。
内容はかなり難解です。
MRS専門の方におすすめです。
各部位によるスペクトロスコピーの役割がよくわかります。
臨床例も豊富です。
心臓血管疾患のMDCTとMRI
発行者:医学書院
編集:栗林幸夫、佐久間 肇
心臓MRIを勉強したい方は必見です。
冠動脈の撮像法や遅延造影、心筋perfusionなど心臓に関すること満載です。
MRI安全性の考え方 第2版
発行者:学研メディカル秀潤社
監修:日本磁気共鳴医学会 安全性評価委員会
人体に対するMRIの安全性についてです。
SARや埋め込み金属とか操作モードなど安全に関することが詳解してあります。
認定試験受けたい方におすすめです。
操作モードは過去と変わっており常にアップデートする必要があります。
MRの実践 基礎から読影まで
発行者:医療科学社
編集:金森勇雄、藤野昭俊、丹波政美 他
MRIの基礎から読影まで記載されていますが、全体的に中途半端です。
あまりおすすめできません。
考えるMRI撮像技術
発行者:文光堂
編集:松本満臣、土井 司
装置の管理や性能試験、臨床について記載されています。
認定試験を受けたい方におすすめです。
基礎から学ぶMRI
発行者:インナービジョン
編集:日本磁気共鳴医学会教育委員会
内容は広く浅くです。フーリエ変換のところはおもしろいです。ただ、あえてこの本でないといけない理由はありません。
不親切なMRI
思い切って私自身が電子書籍を書いてみました。
まったくの初心者ではなく、少しMRIのことを知っている方にオススメです。
不親切というのは図をいっさい使用せず、文字だけで書いているところです。
Amazon の電子書籍のみですが250円です!
今、イチオシがこの「不親切なMRI」ですね。
(楽天では売っていません、すいません)
私のおすすめですが、初心者の方は「パワーテキスト」や「しっかり学べる最新MRIスタンダード」、もう少し深めたいなら「MRI完全解説」でしょうか。
まずは、最初の一冊からですが、たくさん読むことにより知識が深まります。同じような内容の記載がありますが、それは大切なところと思えばいいと思います。
ちなみにほとんどの本は、MRIの原理を古典物理学だけで解説してありますので、どうしても説明できす、納得できないところがでてくると思いますが、MRIってそんなものだと思えばいいと思います。
それじゃ納得できない方は、量子力学も本気でやるとよいと思います。