磁気共鳴専門技術者試験 解答 第14回 16-20問目
こんにちは、つよしです。
第14回16-20問目です。
16) パラレルイメージングファクタを1 から2 に増やし,受信バンド幅を2 倍,スライス厚を2 倍にした場合のSNR はどれか.
※ジオメトリファクタは無視する
- 1/2
- 1/√2
- 1
- 1 × √2
- 2
正解は3です。
1 / √リダクションファクター、1 / √受信バンド幅、スライス厚はそのままの倍数になるので、(1/ √2)×(1/ √2)×2 = 1です。
17) スピンエコー法に対する高速スピンエコー法の特徴に関する正しい記述はどれか. 2 つ選べ.
- 脂肪の信号が高くなる.
- T1コントラストが向上する.
- T2 コントラストが向上する.
- T2値の長い組織の信号が強調される.
- メタルアーチファクトの影響が顕著になる
正解は1, 4です。
1, 4はそのまま。
2, 3のスピンエコーから高速スピンエコーになることで設定TE以外の信号を収集するのでコントラストの向上はありません。
5は再収束パルスを連発するので、メタルアーチファクトは低減します。
18) マルチスライス法によるスピンエコー法(TR 500ms, TE 10ms, サンプリング時間 8ms)の撮像可能枚数の上限はどれか.
- 27 枚
- 28 枚
- 30 枚
- 35 枚
- 36 枚
正解は4です。たぶん。
撮像可能枚数ではなくエコーを取得できる回数だと思うのですが。TEが10msでサンプリング時間が8msということは10msの前後8ms間データ収集しているということです。よってサンプリング時間の後ろ半分の時間の4msをTEに足して14msまでデータを収集することになります。TRが500msなのでそれを14msで割って500 / 14 = 35.7となります。35回までデータ収集可能ということになります。
19) 反転回復(IR)法に関する正しい記述はどれか. 2 つ選べ.
- STIR 法は脂肪に対する特異性が低い.
- STIR 法はCHESS 法より信号雑音比が向上する.
- FLAIR 法はスライス非選択性のIR パルスを使用する.
- White matter attenuated IR 法は脳組織の灰白質の信号を抑制できる.
- Null point の時間は抑制したい組織のT1 値に0.693 を乗じと求めることができる.
正解は1, 5です。
1, 5はそのまま。
2のSTIRはCHESS法と比較して脂肪選択的ではないのでSNは低下します。
3のFLAIRはスライス選択性のIRパルスですね。そうしないと、それぞれのスライスで水信号を抑制できませんから。
4のWhite matter attenuated IR 法はその名の通り白質信号の抑制です。
20) Single-shot EPI に対するmulti-shot EPI の特徴に関する正しい記述はどれか. 2 つ選べ.
- 撮像時間が短い.
- 磁化率アーチファクトが増加する.
- Readout 方向にもmultishot 化できる.
- 動きによるアーチファクトを生じやすい.
- エヌハーフゴースト(N/2 ghost)を生じやすい.
正解は3, 4です。
1のマルチショット化は当然撮像時間が長くなります。
2の磁化率アーチファクトはマルチショットになるので低下します。
3は位相エンコード方向が一般的だと思いますが、Readout 方向にも可能なメーカーがあります。
4はそのまま。
5のエヌハーフゴーストは出にくいと思われます。
延期されていた認定試験が開催されるようですね。
前回延期で悔しい思いをした方、ぜひがんばってください!
以上です。
さようなら!