磁気共鳴専門技術者試験 解答 第14回 16-20問目

投稿者: | 2020年7月19日

磁気共鳴専門技術者試験 解答 第14回 16-20問目

 

こんにちは、つよしです。

第14回16-20問目です。

 

16) パラレルイメージングファクタを1 から2 に増やし,受信バンド幅を2 倍,スライス厚を2 倍にした場合のSNR はどれか.

※ジオメトリファクタは無視する

 

  1. 1/2
  2. 1/√2
  3. 1
  4. 1 × √2
  5. 2

 

正解は3です。

 

1 / √リダクションファクター、1 / √受信バンド幅、スライス厚はそのままの倍数になるので、(1/ √2)×(1/ √2)×2 = 1です。

 

17) スピンエコー法に対する高速スピンエコー法の特徴に関する正しい記述はどれか. 2 つ選べ.

 

  1. 脂肪の信号が高くなる.
  2. T1コントラストが向上する.
  3. T2 コントラストが向上する.
  4. T2値の長い組織の信号が強調される.
  5. メタルアーチファクトの影響が顕著になる

 

正解は1, 4です。

 

1, 4はそのまま。

2, 3のスピンエコーから高速スピンエコーになることで設定TE以外の信号を収集するのでコントラストの向上はありません。

5は再収束パルスを連発するので、メタルアーチファクトは低減します。

 

18) マルチスライス法によるスピンエコー法(TR 500ms, TE 10ms, サンプリング時間 8ms)の撮像可能枚数の上限はどれか.

 

  1. 27 枚
  2. 28 枚
  3. 30 枚
  4. 35 枚
  5. 36 枚

 

正解は4です。たぶん。

 

撮像可能枚数ではなくエコーを取得できる回数だと思うのですが。TEが10msでサンプリング時間が8msということは10msの前後8ms間データ収集しているということです。よってサンプリング時間の後ろ半分の時間の4msをTEに足して14msまでデータを収集することになります。TRが500msなのでそれを14msで割って500 / 14 = 35.7となります。35回までデータ収集可能ということになります。

 

19) 反転回復(IR)法に関する正しい記述はどれか. 2 つ選べ.

 

  1. STIR 法は脂肪に対する特異性が低い.
  2. STIR 法はCHESS 法より信号雑音比が向上する.
  3. FLAIR 法はスライス非選択性のIR パルスを使用する.
  4. White matter attenuated IR 法は脳組織の灰白質の信号を抑制できる.
  5. Null point の時間は抑制したい組織のT1 値に0.693 を乗じと求めることができる.

 

正解は1, 5です。

 

1, 5はそのまま。

2のSTIRはCHESS法と比較して脂肪選択的ではないのでSNは低下します。

3のFLAIRはスライス選択性のIRパルスですね。そうしないと、それぞれのスライスで水信号を抑制できませんから。

4のWhite matter attenuated IR 法はその名の通り白質信号の抑制です。

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20) Single-shot EPI に対するmulti-shot EPI の特徴に関する正しい記述はどれか. 2 つ選べ.

 

  1. 撮像時間が短い.
  2. 磁化率アーチファクトが増加する.
  3. Readout 方向にもmultishot 化できる.
  4. 動きによるアーチファクトを生じやすい.
  5. エヌハーフゴースト(N/2 ghost)を生じやすい.

 

正解は3, 4です。

 

1のマルチショット化は当然撮像時間が長くなります。

2の磁化率アーチファクトはマルチショットになるので低下します。

3は位相エンコード方向が一般的だと思いますが、Readout 方向にも可能なメーカーがあります。

4はそのまま。

5のエヌハーフゴーストは出にくいと思われます。

 

延期されていた認定試験が開催されるようですね。

前回延期で悔しい思いをした方、ぜひがんばってください!

 

以上です。

さようなら!

 

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カテゴリー: MRI