MRI マトリックス
マトリックスとは日本語では画素数でしょうか。
MRI画像の分解能、ボケ、SN、撮像時間にかかわります。
最適なマトリックスをみつけることは、良質なMRI画像を得るのに大切です。
それは、静磁場強度、部位、コイルなどによって異なります。
ですので、こうしたら簡単にできます。
ということはないです。
マトリックスを上げるとどうなるか
分解能があがって微細な構造がみえるようになります。
トレードオフは、撮像時間の延長、SNの低下です。
あげればいいってものではないです。
マトリックスを下げるとどうなるか
SNが上がってざらつきのすくない画像が得られます。
撮像時間は短縮します。
トレードオフは、分解能の低下、ボケです。
画像がなにか、もやーっとしているときは、マトリックスが少ないことに起因します。
特に、3Tで顕著です。
3TはもともとSNが高いので、
マトリックスを少なくすると1つのピクセルあたりの信号が多すぎ、
ボケた画像になります。
だから3Tではマトリックス多めの設定をしてあげないと、3Tの良さが生かせません。
マトリックス多め、少な目どの位?
これが1番問題です。
本当にバラバラだと思います。
ここで、設定するときの考え方の導入です。
マトリックスならば256×256みたいな考え方ですが、これではダメです。
なぜならば、ピクセルサイズを考慮していないからです。
FOVをマトリックスで割ったものがピクセルサイズになります。
ピクセルサイズの表現は、1mm×1mmとかですね。
120mmのFOVでマトリックス256であれば120÷256=0.47mm
400mmのFOVでマトリックス256であれば400÷256=1.56mm
というように同じマトリックスでもピクセルサイズは大きく異なります。
この考え方に変えないと、永遠に最適設定の考え方はできるようになりません。
ルーチン検査であれば、ピクセルサイズを変更することもないですが、
小さい腫瘤なんかでは、ピクセルサイズを腫瘤サイズにあわせて変更するほうが最適画像を得ることができますからね。
広範囲の脊椎などでは、1~1.3mm程度のピクセルサイズ。
四肢などの小腫瘤などでは0.2~0.5mmとかでしょうか。
もちろん、磁場強度、コイルに大きく依存します。
自身の使用している装置の最適マトリックスというか、
最適ピクセルサイズをコイル毎に知っている。
というのが、MRIのプロですね。
マトリックスを変更する際は、
周波数エンコードと位相エンコードを意識しないといけません。
周波数エンコード数は撮像時間に関与しません。
位相エンコード数が撮像時間に直結するので、
基本的には位相エンコードの方が少なめの設定になります。
撮像時間が長くなければ、
周波数エンコード数に対する位相エンコード数は100%、短くしたければ80%くらいで。
70%を切るとボケが顕著になるのでおすすめできません。
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