呼吸停止のシーケンスなのに、雰囲気だけ呼吸停止の合図をするので困った件

投稿者: | 2024年5月20日

こんにちは、つよしです。

 

久しぶりにMRIのネタを書きましょう。

昨年、S社のMRIが導入されて最新の装置の素晴らしさに驚かされています。

 

私はその装置の条件作成には関わっていません。

後輩に任せている状態です。

 

下肢MRAではS社は「Quiescent-Interval Single-Shot(QISS)」という2DのTrueFISPを用いたSingle-Shot法で撮像しています。

 

シーケンス図はこんな感じのようです。

R波を感知したらスライス面の信号を抑制。

そのあとは静脈信号を消すパルスを印加。

ちょっと待って動脈の流れがくるころに、脂肪抑制パルスを印加、それで信号収集。

 

なかなかよくできたパルスシーケンスだね。

足首から腹部まで8スラブとかで撮像していきます。

腹部は呼吸停止で撮像するシーケンスです。

 

設定では1回の息止めにつき何枚撮像するかという設定をします。

それなのに驚くべきことに息止めの合図を装置が送らないのです。

 

でも、装置的には息止めの合図を送っているようにふるまっています。

息止めの合図を送り、待ち時間、それを繰り返しています。

 

それなのに検査室では合図なしで撮像しているのです。

それが毎検査ではありません。

 

合図をしたり、しなかったり。

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患者さんには息止めの説明をしているのに、合図なしで検査が終わってしまうのです。

 

まあ、それでもそれなりに撮像できているのですが。

この状況には納得できません。

 

後輩に条件作成を任せている私ですが、この状況を見過ごすわけにはいきません。

 

自分でS社のアプリケーションの方へ質問したところ。

「不具合は認識しているけど、改善待ちです」。ということでした。

 

QISSというシーケンスは10年くらい前からあるようです。

当時から不具合があったのかはわかりませんが、10年経過しても不具合が改善されないなんて。

 

不具合が発生するときとしないときの差はSARだそうです。

SARが高いときに呼吸停止の合図をしなくなるようです。

 

対策としてはSARが低い条件を作成するか、マニュアルで呼吸停止の合図をするように条件作成するかだそうです。

 

対策があるなら、そのような条件を作成してほしいですが、なぜか後輩は条件を作っていません。

 

下肢MRAはたまにしかない検査だからかな?

だからと言って、不具合をそのままにするS社、条件を作成しない後輩、どちらに対しても不満がつのります。

 

「やっぱり自分が仕事を引き受けるべきだったかな」。

後輩に仕事をゆずる年齢なので任せているのですが。

 

やっぱり自分とは違うなあと思うわけです。

思っても何もはじまらないので、後輩にお願いして条件を作成してもらうことにしましょう。

人に仕事を任せるというのは難しいものです。

 

以上です。

さようなら!

 

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カテゴリー: MRI