こんにちは、つよしです。
MRIでは与える熱量や抹消神経刺激などで装置が許可を求めてくることがありますね。
それらのメッセージが出てきたら、まよわずOKして、そのまま撮像しています。
でも、最近作成した条件でピリピリするという訴えが患者さんからありました。
音がうるさいというのは、いつものことです。
ピリピリするという患者さんも今までいなかったわけではありません。
まあ、それもMRIだよねと思っていました。
そんな患者さんの思いをたまには自分も体験しないといけない、ふと思いました。
最近、作成した条件は頸部のMRAでDIXON法を使用したものです。
これで大動脈弓から撮像すると脂肪が消えてかなりキレイに撮像できます。
それでも、人によって大動脈弓の起始部がみえにくいときがありました。
これは呼吸というより、大動脈の拍動が大きいと思っています。
それを解消するためにDIXON法でさらに起始部のみラジアル収集することにしました。
そうすると、アーチファクトが見事に消えて、大動脈弓からの3分岐がバッチリ見えます。
これで撮像条件としては完璧です。
ただし、DIXON法はすごくうるさい、ラジアル収集は時間が長い。
結果として、患者さんが不快に感じる時間が長くなってしまうのです。
検査する方からすれば、「キレイに撮るためだから、がまんして」と思ってしまいます。
でも、患者さんからすると音もうるさく、神経刺激もあり苦痛なのです。
私としましてもMRIの騒音は体験ずみです。
でも、抹消神経刺激はどんなものかわかりません。
今までMRIのボランティア撮像などで被験者の経験は多いですが、ピリピリするような感覚はわからないのです。
それなら自分が作成した条件で自分が中に入ってみよう!
ということで、大動脈弓からの頸部MRAを自分で経験してみました。
感想は…
「ピリピリする」。
「すごく居心地が悪い」。
MRIを甘くみていましたね。
何とも言えない不快感です。
その条件ではPNSレベルが98%と表示されています。
ほぼMAXで傾斜磁場を切替えているのです。
第一次管理モードとか言いますが、ほんとにきついレベルでした。
SARについては気にしていましたが、PNS(抹消神経刺激)も気にしないといけないですね。
腹部でもDIXON法でPNSレベルがマックスで撮像していますが、せいぜい15秒くらい。
頸部全体のMRAでは5分くらいですから、不快な時間も長い。
それに抹消神経刺激は撮像中心ではなく、離れたところに発生するということもよくわかりました。
このMRAでは4分割して撮像しているのですが、大動脈弓部を撮像するときはおしりの左側だけがピリピリしました。
その上の頸部ではお腹の前面右側だけがピリピリします。
撮像部分が頭側にあがるにつれて、ピリピリする部分もあがっていきます。
自分が撮像されながら、もうちょっと条件をゆるくして抹消神経刺激を抑えないといけないなあと感じました。
いくら画像がキレイといっても限度があるな。
もうちょっと患者さんにいたわりのある条件を作成しないといけない。
でも、画質はおとしたくない。難しいところです。
今回の経験で、たまには自分がMRIの中に入って、患者さんの気持ちになることは大切だなと感じました。
以上です。
さようなら!