こんにちは、つよしです。
MRI装置がアップグレードして圧縮センシング、Compressed Sensing (CS)が使えるようになりました。
でも、コイル、シーケンス、2D、3Dなど条件によりアーチファクトがでることがあります。
なんか使いにくい。
一貫性がないから。
いい使い方というのがわかりません。
ということで自分で実験することにしました。
これを自施設だけのものにするのはもったいない。
ということでブログにてシェアすることにしました。
せっかく導入された技術を使いこなせないのはちょっとね。
興味ある方の参考になればと思います。
装置はP社Ingenia 3.0T R5.7です。
第1弾はCSの折り返しです。
Head Coilを使用しています。
頭頸部のBlack Blood T1W、コロナルの条件設定です。
3D T1W TSEなのでCSが使えるだろう。
軽い気持ちで撮像したらすごく画像が悪くて…
これではいけません。
最適化していい条件で使いたい。
でも、厳密なものではありませんのであしからず。
用語の説明を。
オーバーサンプリングファクター(OS)は3D撮像のスライス方向の折り返し防止で2.0なら設定の2倍スライス方向にデータ収集します。
スキャンタイム(T)は2倍かかります。
では画像を
1.元の条件Sense : 2.7、OS : 1.6、T : 3:46
これをCSを使って時間短縮していきます。
2.高速化したいのでCS : 3.6、OS : 1.6、T : 3:02
40秒速くしただけなのに、ものすごい信号ムラが…
130枚の撮像ですが最初の10枚、最後の10枚がムラがひどい。
- CS : 2.0、OS : 1.6、T : 5:25
CSファクター3.6が高いのが問題かと思い、CS 2へ。
信号ムラは同じ感じ。これで信号ムラはスライス方向の折り返しだと予想。
- CS : 3.6、OS : 2.5、T : 4:33
CSは3.6に戻し、スライス方向のOSを2.5へ。
信号ムラは解決。でも元の条件より50秒長い。
CSを使う意味がないので、スライス方向のOSを減らしていきます。
次の画像を
- CS : 3.6、OS : 2.0、T : 3:47
信号ムラは出ていない。でも、撮像時間が速くなっていない。
OSをもうちょっと少なくします。
- CS : 3.6、OS : 1.8、T : 3:23
ちょっと信号ムラが出てきた。
OSは2.0がよさそう。CSを上げて時間短縮を。
- CS : 4.0、OS : 2.0、T : 3:25
これでいいけど、もう少し時間短縮したい。
- CS : 4.5、OS : 2.0、T : 3:13
一応、元の条件から43秒速くなったのでヨシとしましょう。
43秒高速化するのに40分もかかってしまった。
まとめ
T1W 3D TSE Black Blood COR: CS : 4.5、OS : 2.0。
もうちょっとCSファクターを上げてもいいかもですが、最初なのでこんな感じで。
CSの3Dは従来と比較してスライス方向のオーバーサンプリングを多くした方がいいみたい。
こんな感じで日常使いの条件を精査してCS化していきましょう。
ものすごく時間がかりますが、わりと楽しいので継続していきます。
以上です。
さようなら!