MRI 実験1 CSコロナル スライス方向の折り返し

投稿者: | 2023年1月31日

こんにちは、つよしです。

 

MRI装置がアップグレードして圧縮センシング、Compressed Sensing (CS)が使えるようになりました。

 

でも、コイル、シーケンス、2D、3Dなど条件によりアーチファクトがでることがあります。

なんか使いにくい。

 

一貫性がないから。

いい使い方というのがわかりません。

 

ということで自分で実験することにしました。

これを自施設だけのものにするのはもったいない。

 

ということでブログにてシェアすることにしました。

せっかく導入された技術を使いこなせないのはちょっとね。

 

興味ある方の参考になればと思います。

装置はP社Ingenia 3.0T R5.7です。

 

第1弾はCSの折り返しです。

Head Coilを使用しています。

 

頭頸部のBlack Blood T1W、コロナルの条件設定です。

3D T1W TSEなのでCSが使えるだろう。

 

軽い気持ちで撮像したらすごく画像が悪くて…

これではいけません。

 

最適化していい条件で使いたい。

でも、厳密なものではありませんのであしからず。

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用語の説明を。

オーバーサンプリングファクター(OS)は3D撮像のスライス方向の折り返し防止で2.0なら設定の2倍スライス方向にデータ収集します。

 

スキャンタイム(T)は2倍かかります。

では画像を

 

1.元の条件Sense : 2.7、OS : 1.6、T : 3:46

これをCSを使って時間短縮していきます。

 

2.高速化したいのでCS : 3.6、OS : 1.6、T : 3:02

40秒速くしただけなのに、ものすごい信号ムラが…

130枚の撮像ですが最初の10枚、最後の10枚がムラがひどい。

 

  1. CS : 2.0、OS : 1.6、T : 5:25

CSファクター3.6が高いのが問題かと思い、CS 2へ。

信号ムラは同じ感じ。これで信号ムラはスライス方向の折り返しだと予想。

 

  1. CS : 3.6、OS : 2.5、T : 4:33

CSは3.6に戻し、スライス方向のOSを2.5へ。

 

信号ムラは解決。でも元の条件より50秒長い。

CSを使う意味がないので、スライス方向のOSを減らしていきます。

 

次の画像を

 

  1. CS : 3.6、OS : 2.0、T : 3:47

信号ムラは出ていない。でも、撮像時間が速くなっていない。

OSをもうちょっと少なくします。

 

  1. CS : 3.6、OS : 1.8、T : 3:23

ちょっと信号ムラが出てきた。

OSは2.0がよさそう。CSを上げて時間短縮を。

 

  1. CS : 4.0、OS : 2.0、T : 3:25

これでいいけど、もう少し時間短縮したい。

 

  1. CS : 4.5、OS : 2.0、T : 3:13

一応、元の条件から43秒速くなったのでヨシとしましょう。

 

43秒高速化するのに40分もかかってしまった。

 

まとめ

 

T1W 3D TSE Black Blood COR: CS : 4.5、OS : 2.0。

もうちょっとCSファクターを上げてもいいかもですが、最初なのでこんな感じで。

 

CSの3Dは従来と比較してスライス方向のオーバーサンプリングを多くした方がいいみたい。

 

こんな感じで日常使いの条件を精査してCS化していきましょう。

ものすごく時間がかりますが、わりと楽しいので継続していきます。

 

以上です。

さようなら!

 

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カテゴリー: MRI