こんにちは、つよしです。
毎日、毎日MRIを撮像しています。
飽きたと言えば飽きましたが、仕事なので。
先日、ドキッとすることがあったので、共有してもらえたらと思い書いています。
当日、申し込みの患者さん、徒歩で来院。
脳のMRI検査でしたが、オーダーコメントが頚部痛でした。
それでも、歩きなので特に気に留めずに検査していると…
第4脳室あたりがFLAIRで高信号です。
3TのMRIで撮像していたので、年齢が若いとわりとあるよね。
などと思いつつ、これはくも膜下出血のように見えるから嫌だなあとか感じていました。
するとそれより上方のスライスでも高信号が。
シルビウス裂もうっすら白い!
左右非対称に見えるし…
これってもしかして、本物のくも膜下出血じゃない?
ただ、救急で来院していないので、隣にドクターもいません。
困ったなぁ、どうしようかと思いながら検査しつつ。
MRAでは動脈瘤がありそう。
何度みてもこのFLAIRは絶対おかしい。
そう感じて、依頼医に連絡。
救急スタッフにストレッチャーをもってきてもらい、MRI室から移動。
とりあえず私の仕事はここまで。
その後、治療ですね。
くも膜下出血疑いであればCTを先に撮ることが多いですが、
この時はたまたまMRIでした。
こんなときがたまにある。
いつも気をぬいている訳ではありません。
ただ、毎日脳のMRIを何件もみているからぼんやりしていることもあります。
病変があると思って見るのと、ないと思って見るのでは全然違いますしね。
改めて日々の画像を見るって大切だなと感じました。
また、撮像シーケンスでFLAIRは3Tでは第4脳室が高信号になることがわりとあると思います。
この理由は3Tでは脳脊髄液の信号が強くなることが原因です。
対策はIRパルスの幅にあります。
なるべく小分けしてスライスを飛び飛びにして、撮像することが必要です。
そうするとIRパルスの幅が大きくなりアーチファクトが出にくくなります。
でも、FLAIRのTRは10,000msなんてあるので、時間がすごくかかってしまいます。
時間をかけないと脳脊髄液のアーチファクトを防ぐことはできません。
ほとんど、正常な人のために、毎回FLAIRの時間をかけることは無駄なような気もしますが、まれにある本物を見落としてしまうかもしれません。
このようなジレンマがありますが、病変を発見することに大切ですからFLAIRは時間をかけるしかないなと感じています。
いつもある普通の検査こそ油断してはいけないと感じています。
以上です。
さようなら!