磁気共鳴専門技術者試験 解答 第14回 21-25問目
こんにちは、つよしです。
第14回21-25問目です。
21) Apparent diffusion coefficient(ADC)に関する正しい記述はどれか. 2 つ選べ.
- ADC 値の単位は[s/mm2]である.
- 生体組織の温度はADC 値に影響する.
- 運動検出傾斜磁場の印可時間や間隔は同じb 値であればADC 値に影響しない.
- ADC 値を計算するためには運動検出傾斜磁場を3 軸方向以上に印可しなければならない.
- 大きなMPG(b2)の信号強度をS2,小さなMPG(b1)の信号強度をS1 とするとln(S1/S2)/(b2-b1)で求めることができる.
正解は2, 5です。
1のADCの単位はmm2 / sですね。s/mm2はb値。
2の生体組織の温度はADC値に影響すると思われます。MRIの信号値は温度が関係します。信号値からADC値も求めるので影響するでしょう。
3これも2と同様に同じb値でもMPGの印加時間が異なると、信号値が変わるのでADC値に影響すると思います。
4の等方向拡散を求めたい場合はMPGが3軸必要ですが、1軸でもADC値は計算できます。
5はそのまま。
22) 正しい記述はどれか. 2 つ選べ.
- Compressed sensing(CS) MRI は画像容量を圧縮することができる.
- Quantitative susceptibility mapping(QSM)は磁化率を定量することができる.
- Synthetic MRI はデータベースを元にT1 値やT2 値などを推定するこができる.
- MR fingerprinting は古典的なカーブフィッティングにてT1 値やT2 値などを推定することができる.
- Chemical exchange saturation transfer(CEST) MRI は水素イオン指数の変化を捉えることができる.
正解は2, 5です。
1のCSはMRI画像の圧縮ではなく、少ないデータからMRI画像を作成するものです。
2, 5はそのまま。
3のSynthetic MRIは複数のTIからT1緩和曲線、複数のTEからT2緩和曲線を求めてT1値、T2値などを推定するものです。
4のMR fingerprintingは特定の組織の信号パターンから特定の組織の定量値を推定するものです。古典的カーブフィッティングという言葉が違うと思います。
23) 脳血流を評価するためのArterial spin labeling(ASL)法に関する正しい記述はどれか. 2 つ選べ.
- T2*強調像を利用する.
- 遅延血流がある場合には血管内信号が高くなることがある.
- Post labeling delay(PLD) time は1 秒以下に設定しなければならない.
- 血流に信号を与えるRF パルスの印加効率は,連続波の方が単独波より高い.
- 本法で得られる脳血流定量値はヘマトクリット値やヘモグロビン濃度によって変化する.
正解は2, 5です。4も正解かなと思ったのですが。
1はT2*強調像だけではないと思います。GRASE法だとT2*強調像とは呼ばないのでは。
2, 5はそのまま。
3のPLDは決まっていません。目的に応じてですかね。ただ1秒以下ははやすぎると思います。
4はわかりませんが、おそらく連続波の方がSNは高いのでRFの印加効率は高いのではないかと思ったのですが。
24) 脳卒中のMRI 検査に関する正しい記述はどれか. 3 つ選べ.
- 早期の脳梗塞部の多くは見かけの拡散係数(ADC)が上昇する.
- アルテプラーゼ(rt-PA)の適応選択にMRI を用いることができる.
- アルテプラーゼ(rt-PA)治療後の経過観察にMRI を用いことができる.
- 脳血管解離が疑われた場合でも拡散強調像で梗塞巣があればアルテプラーゼ(rt-PA)は適応である.
- 発症後8 時間を超え16 時間以内の急性期脳梗塞に対して血栓回収術を施行する場合は,灌流と臨床所見等のミスマッチを検出する必要がある.
正解は2, 3, 5です。たぶん。
1の早期脳梗塞はADCが低下です。
2,3はそのまま。
4の脳血管解離に対するアルテプラーゼの適応はエビデンスがないようです。
5はたぶん正解と思われますが、8時間から16時間というはわかりませんでした。
25) Proton MR spectroscopy(MRS)に関する正しい記述はどれか. 2 つ選べ.
- 肝性脳症はグルタミンが低下する.
- 脳虚血は乳酸(lactate) が低下する.
- 多発性硬化症はコリン(cho)が上昇する.
- 放射線壊死のような病態では脂質(lipid)が上昇する.
- びまん性軸索損傷はNAA(N-acetyl-aspartate)が上昇する.
正解は3, 4です。
1の肝性脳症はグルタミンが上昇です。
2の脳虚血は乳酸(lactate) が上昇です。
3, 4はそのまま。
5のびまん性軸索損傷はNAA(N-acetyl-aspartate)が低下です。
磁気共鳴認定試験は範囲が広いですね。泣きそうです。
でも、100点取らないといけないわけではないですからね。
そう思えばなんとかなりそうですよね!
以上です。
さようなら!