磁気共鳴専門技術者試験 解答 第14回 11-15問目
こんにちは、つよしです。
第14回11-15問目です。
11) 正しい記述はどれか. 2 つ選べ.
- 傾斜磁場は磁気モーメントの位相分散(dephasing)を伴う.
- 傾斜磁場強度が低いほど,薄いスライス厚の撮像が可能である.
- 送信BW(バンド幅)が広いほど,薄いスライス厚の撮像が可能である.
- 励起RF パルスはシンク波で左右のローブが多いほどフーリエ変換は矩形に近づく.
- スライス選択傾斜磁場(GZ)をt 時間印加したことによる位相分散を再収束させるには,極性が反対で同じ強さの傾斜磁場(-GZ)を同じt 時間印加すればよい.
正解は1, 4です。
1はそのまま。位相は傾斜磁場直線下の面積に比例します。
2の傾斜磁場強度は高いほど、薄いスライス厚が可能です。
3の送信バンド幅は狭いほど、薄いスライス厚が可能です。
4はそのまま。
5のGzをt時間ならば、反対の極性で同じ強さを半分の時間印加すればよいですね。
12) 化学シフトに関する正しい記述はどれか. 2 つ選べ.
- 水の1H 原子核の化学シフトは脂肪より約3.5ppm 低い.
- 化学シフトアーチファクトは受信バンド幅を広げると強くなる.
- 第2 の化学シフトアーチファクトはあらゆる方向に出現する.
- 第2 の化学シフトアーチファクトを利用すると脂肪を定量できる.
- EPI を除き化学シフトアーチファクトは位相エンコード方向に現れる.
正解は3, たぶん4ですね。
1の水の化学シフトは3.5ppm高いです。
2の化学シフトアーチファクトは受信バンド幅がせまいと強くなります。
3はそのまま。
4の第2化学シフトアーチファクトを利用して脂肪を定量できるか若干不安ですが。DIXON法で行うのでまぁ正しいかなと思います。
5の化学シフトアーチファクトは周波数方向のみです。EPIのみ位相方向です。
13) NEMA における均一性測定に関する正しい記述はどれか. 2 つ選べ.
- スライス厚は10 ㎜以上にする.
- スパンΔは(Smax-Smin)/2 である.
- TR は信号発生物のT1 値の3 倍以上にする.
- データ収集マトリクスは256×256 以上にする.
- 撮像画像に9 点ローパスフィルター処理を行う.
正解は2, 5です。
1のスライス厚は10mm以下です。
2, 5はそのまま。
3のTRは信号発生物質のT1値の5倍以上です。
4のデータマトリックスは決まっていないようです。
14) NEMA におけるスライス厚測定に関する正しい記述はどれか. 2 つ選べ.
- 高速SE 法が望ましい.
- シングルスライスで撮像する.
- TR は信号発生物質のT1 値の3 倍以上にする.
- ウエッジ法のスライス厚はFWHM × tan 𝛼である.
- ウエッジファントムが2 つあるのは磁場不均一の補正のためである.
正解は3, 4です。
1, 2の撮像シーケンスは通常使用しているもの。
3, 4はそのまま。
5のウエッジファントムが2つあるのは、ファントムセッティング誤差の補正のためです。
15) NEMA におけるSNR 測定に関する正しい記述はどれか. 2 つ選べ.
- 部屋とファントムの温度は22±4℃にする.
- 信号発生物質のT2値は50ms 以下である.
- 信号発生物質のT1値は1200ms 以上である.
- TE は信号発生物のT2値の1/2 以上にする.
- TR は信号発生物のT1値の3 倍以上にする.
正解は1, 5です。
1, 5はそのまま。
2のT2値は50msより大きいです。
3のT1値は1200msより小さいです。
4のTEは臨床で使用する条件です。
この解答を作るたび脳が活性化する気がします。
以上です。
さようなら!