磁気共鳴専門技術者試験 解答 第14回 6-10問目
こんにちは、つよしです。
今回から第14回、6-10問目です。
6) RF パルスを3 回印可したときに発生するエコー数はどれか.
※RF パルスの1 番目と2 番目の間隔は20ms,2 番目と3 番目の間隔は40ms とする.
- 2
- 3
- 5
- 7
- 8
正解は3です。
RF3個でFIDが3個発生します。RF3つの名前をそれぞれRF1、RF2、RF3とします。同様にFID3つの名前をそれぞれFID1、FID2、FID3とします。
FID1とRF2でSE1が発生。FID1とRF3でSE2が発生。FID2とRF3でSE3が発生。SE1とRF3でSE4が発生します。
RF1、RF2、RF3でSTE(stimulated echo)が発生します。
よってSE4つとSTE1つ。合計5個となります。
問題のRFの間隔が違うのはFIDとSE、SEとSTEが重ならないという意味です。
7) 1-2-1 の二項展開パルス(binomial expansion pulses)によって水を励起する.1H の共鳴周波数をf [MHz],ケミカルシフトをC [ppm]とした場合のパルス間隔はどれか.
- C・f
- 2・C・f
- 1 / (C・f )
- 2 / (C・f )
- 1 / (2・C・f )
正解は5です。
out of phaseになる時間の求め方ですね。
f×Cの逆数でin phaseになる時間がわかります。その半分の時間がout of phaseになるので1 / (2Cf)です。
8) X 軸に対して20mT/m の傾斜磁場をかけた場合,磁場中心からX 軸方向に10cm,Y 軸方向にも10cm 離れた地点の磁場はどれか.
- 1mT
- 1.4mT
- 2mT
- 4mT
- 10mT
正解は3です。
20mTが1mあたりなので、10cmずつ離れた場所なので、1/10です。
9) 傾斜磁場の波形を以下に示す.この傾斜磁場波形のスリューレート(mT/m/s)で正しいのはどれか.
- G / d
- G / d×10-6
- G×10-3 / d
- 2G / d×10-6
- G / 2d×10-6
正解は2です。
スルーレートは最大傾斜磁場強度(T/m) / 立ち上がり時間 (s)なのでG / dですが、設問の単位にあわせないといけません。dの単位がμsになっているので、sになおして×10-6です。
10) 正しい記述はどれか. 2 つ選べ.
- 部分フーリエ法は撮像時間を短縮できる.
- ゼロ充填補間法は空間分解能が向上する.
- 実空間の位置(座標)はk 空間の位置に対応している.
- 実空間のピクセル径(Δ X)の逆数がk 空間の横軸の長さ(kx)になる.
- k 空間の空間周波数成分(Δ kx)の逆数が実空間のピクセル径(Δ X)になる.
正解は1と4です。
1はそのまま。
2のゼロ充填は実際の空間分解能は向上しません。
3のk空間の位置と実空間の位置は対応していません。
4はそのまま。Δx = 1 / FOVkです。
5はΔkx = 1/FOVxとなります。Δkxの逆数がFOVxの大きさなので、それをマトリックス数で割るとΔx になります。
頭の体操になりますね。
わざわざこれを書く自分ってえらい!と自画自賛です。
以上です。
さようなら!