MRI 1.5Tのメリットをまとめてみた

投稿者: | 2019年3月9日

MRI 1.5Tのメリットをまとめてみた

「自分の施設には1.5Tしかない」となげいてるあなた!

1.5Tにもいいところがあると思うんだ。

ということで、3Tと比較して1.5Tのいいところをまとめてみた。

ちなみに私は1年間で3Tと1.5T半々で使用しているので、

3TのSNの高さは身にしみていますが、1.5Tのよさもわかっています。

1. 安い

まずはこれですね。

おそらく3Tと比較し1億円くらい安い。

MRIというのはCTに比較して1日にこなす件数が少ない。

つまりあまり儲かる機械ではありません。

維持費も3Tの方が高いので、1.5Tはエライ!


2. 患者に与える熱量がすくない

SARは静磁場の2乗に比例します。

3TでSARを気にしない条件を作成していたら患者さんはほかほかです。

頭部はそうでもありませんが、体部ではSARの違いが顕著です。


3. RFの浸透がいい

3Tの腹部では体が大きいとRFの浸透の悪さから描出不良になります。

特に腹水がある方はRFの浸透が悪いです。

これは3TのRFの波長が短くなるからですね。

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どうしようもない3Tの欠点ですね。

3Tでお腹の大きい患者さんは熱くなるし、写りは悪いし、いいとこなしです(笑)。


4. アーチファクトが少ない

これはSNが低いことによるメリットになります。

例えば3Tの腹部で脂肪抑制をしていなくて、呼吸によるアーティストが発生すると、

かなりひどいです。

ですが、1.5Tの場合、信号自体が弱いのでそれほど目立ちません。


5. 騒音が少ない場合が多い

これは必ずではないですが、3Tよりも傾斜磁場の性能が劣り、それほど短時間で傾斜磁場の切り替えができないので、騒音は静かになります。

それとin phase、out of phaseの間隔が長いので、GRE法でも音は小さくなります。


6. 操作者の負担も小さい

これは私の場合ですが、3Tのガントリー近くで頭を動かすと少し気分が悪くなります。

1.5ではぜんぜん大丈夫です。

これは静磁場の影響で車酔いみたいな状況になります。

目からの情報と磁場による平衡感覚のズレが原因のようです。

患者さんもガントリーにはいるときは、気分が悪くなる場合はありますが、

ガントリーの中に止まると静磁場は変化しないので大丈夫です。

私は3Tで患者さんの状態が悪くて、

話しかけるときに頭をガントリー内につっこむので気分が悪くなっていました。

最近は慣れて大丈夫になってきましたが。

あとはあまりガントリー内に頭をつっこまないように気をつけています。


7. 心臓ペースメーカーに対応している

3Tに対応しているペースメーカーもありますが、条件が厳しい。

もともとMRI対応ペースメーカーは1.5Tが基本だったので対応は簡単です。


8. 速い

これは多断面を撮像する場合に感じますが、とにかく3Tより速いです。

SARの制限にひっかかりにくい1.5Tでのおおきなメリットです。

脊椎の広範囲の検査(横断像を60枚とか)では1.5Tの使いやすさは抜群です。


9. 体部DWIがキレイ

1.5Tのほうがゆがみが少ないこと、脂肪信号がほぼ落ちることなどから

体部のDWIはとても見やすいです。

ゆがみが少ない理由は磁化率のアーチファクトが少ないから。

脂肪信号がよく落ちるのは緩和時間の違いだと思います。

EPIベースではなくSEベースのDWIならゆがみはなくなりますが、

脂肪信号は1.5Tのように落ちません。

いろいろあげると1.5Tも悪くないなぁと思えてきたでしょう?


以上です。

さようなら!

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カテゴリー: MRI