MRI 磁化率アーチファクトを減らす方法

投稿者: | 2019年2月23日

MRI 磁化率アーチファクトを減らす方法

今回はMRIで磁化率アーチファクトを減らす方法を考えてみました。

まずは言葉の意味から。

アーチファクトは本来の情報ではないことです。

では、磁化率とは何でしょうか?

磁化率とは物質が磁場にさらされたときに、磁化される程度のことです。

磁化率アーチファクトとは、

MRIの撮像目的である組織と異なる磁化率の場合アーチファクトとして出現するわけです。

例えば、強磁性物質や空気などです。脂肪もそのうちにはいると思いますが、

今回はおおきなアーチファクトとなる強磁性物質や空気などを対象に磁化率アーチファクトを減らす方法を考えましょう!


1. 静磁場強度が低い装置を選ぶ

静磁場強度が高いほど、磁化率の差がおおきくなるので3Tでなく1.5Tでとかですね。

両方あれば。

体内にインプラントがある場合有効ですね。


2.撮像シーケンスを磁化率に強いものを選ぶ

磁化率に強いのはFSE、SE、GRE、EPIの順ですね。

EPIにはSE型とGRE型がありますが。

SEがGREより磁化率に強いのは再収束パルスを使うためですね。

FSEのほうがSEより磁化率に強いのは、再収束パルスを連発するからですね。

腰椎なんかで、よく位置合わせ用のGREシーケンスだけ撮像して、インプラントがあるから見えません。

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なんかいう方がいますが、本番撮像のFSEで撮像すると案外見えたりします。

簡単にあきらめるのはよくないですよね。


3.スライス厚を薄くする

スライス厚が薄いとその分磁化率の変化が小さくなります。

トレードオフはSN低下です。


4. マトリックスを増やす

スライス厚と同様にピクセル内の磁化率の変化を小さくできます。

トレードオフはSN低下です。


5.受信バンド幅を広げる

データ収集時間が短くなるので、その分磁化率の変化が小さくなります。

こちらもトレードオフはSN低下です。


6.EPIでは位相エンコードを減らす。

4.のマトリックスを増やすと反対しますが、EPIでは位相エンコードを減らした方が、

磁化率アーチファクトは小さくなります。

EPIだけの理由はシングルショットだからですね。

シングルショットとはkスペースを1度のTRで全部充填することですね。

その分、磁化率の変化に弱くなります。

だからパラレルイメージングを使用して、位相エンコード数を減らしているわけです。

ではMRCPなどのFSEもシングルショットじゃないですか?

と思ったあなたは鋭い!

EPIとFSEでは同じシングルショットといっても、

kスペースの充填の仕方が違うわけです。

1TR内にすべてのデータを充填するのは同じですが、

FSEではそれぞれの位相エンコードの際、1行ごとにデータがきれているわけです。

EPIではそれが全部つながっているわけです。

いわゆるブリップEPIというものです。

あとはそれぞれのエコーごとに再収束パルスを使用するところもEPIとFSEは異なります。

ちょっと難しい?

たまには勉強してみました。


以上です。

さようなら!

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カテゴリー: MRI