MRI T2スター
今回は、T2*スターについてです。
スターって何でしょう?
*はアスタリスクっていう記号でスターと読みます。
使う世界によって読み方がかわる場合があります。
MRIはスターで。
T2スターとT2の違いは、外部磁場の影響をたくさんうける点です。
SE法で撮像するとT2強調、GREで撮像するとT2スター強調になります。
外部磁場というとB0(ビーゼロ)です。
静磁場です。
内部というと人体です。
MRIでは磁場の不均一をなるべく減らしたいときと強調したいときがあるわけです。
磁場の不均一を強調したいとき、T2スターを使用します。
どんなときにT2スターを利用するかというと、
1. 出血の有無
脳では一般的に使用します。
出血は脳実質と磁化率が異なるためT2スターで明瞭に描出できます。
出血は経過とともにヘモジデリンに変化し、
これが常磁性であるため過去の出血であってもT2スターで評価できます。
ちなみに、人体は反磁性です。
出血傾向が評価できるので、脳梗塞があった場合の治療方針にかかわるのでとても大切です。
2. じん帯や腱の評価
T2強調でも評価できなくはないと思いますが、T2スターの方が適しています。
じん帯や腱の損傷は、低信号に描出されるなかに高信号をみつけることです。
高信号だけならT2強調でもわかります。
ですがT2強調では、TEが長すぎてじん帯や腱が真っ黒になります。
そうするとじん帯や腱が観察しにくいのです。
それでT2スターの出番なのです。
3. その他
磁化率の差の評価、つまり石灰化や血腫などの評価に使用できます。
石灰化が必ずしもわかるわけではありませんが、磁化率に差があれば描出できます。
T2スターの撮像条件は、まずはGREを用いるということ。
GREなのでflip angleがとても大事になります。
flip angleが大きいとT1強調になりますので、flip angleは小さめ20度くらい。
TEはT2強調にしたいので20ms程度。
SEに比べるとTE短いですがGREなら20msでも長めになります。
TRは長めの500ms程度でしょうか。
これもGREなら長い設定です。
3DならもっとTRを短くします。
これでみなさんもT2スターを使いこなして、スターを目指しましょう(笑)。
関連記事