MRI TOF-MRA

投稿者: | 2017年6月10日

MRI TOF-MRA

 

今回は、TOF-MRAです。

TOFtime of flightの略です。

飛行時間ですね。

原理としては直感的に理解しやすいです。

 

同一スライスを何度も高速で励起すると、止まった組織の信号は低下します。

ですが、血流は絶えず新しくなるので高信号になります。

これを利用するのがTOF-MRAです。

 

なので、パルスシーケンスとしては、SEではなくGREです。

flow voidにならないようね。

2D3Dどちらでも撮像されます。

 

PC-MRAは、差分するので背景信号はゼロになります。

しかし、TOF-MRAはあくまで、静止組織よりも流入効果のあるものに差をつけるので背景信号はゼロになりません。

また、高磁場の方がT1の延長により、周囲組織の信号が低下するので有利です。

 

PC-MRAと比較して特徴は、

差分しない。

流速エンコードしない。

撮像時間が短い。

などです。

 

基本的にT1強調になるので、血腫などのT1短縮物質の信号は残ります。

また、脂肪も高信号になるので逆位相となるopposedTEを使用します。

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TOFでの2D3Dの特徴は、

2Dでは流入効果がいつも最大になるので遅い流れにも対応できます。

SN2Dのほうが低くなります。

そのため、薄いスライス厚は苦手です。

 

3Dでは遅い流れでは、励起スラブの中にはいったままになるので血流信号は低下します。

(スラブってかたまりことね)

これを解消するため、スラブの流入側ではFlip Angleを小さくし、

流出側にいくにつれFlip Angleを大きくする方法があります。

 

また、全ボリュームを1度に撮像するのではなく、

ある程度のかたまりにわけて撮像し後でくっつけます。

もちろんボリュームとしては減るのでSNは低下します。

 

k-spaceの特徴から3Dの方がSNは高くなるので、薄いスライスで撮像できます。

その分、時間はかかります。

 

一般的には撮像時間が短くなるため、PC-MRAよりTOF-MRAのほうがよくつかわれます。

また、2D3Dの使い分けも撮像時間から、

脳などの狭い範囲では3D-TOF-MRA

下肢血管などの広範囲では2D-TOF-MRAです。

下肢全長を3D-TOF-MRAで撮像すると、とても長い時間かかるから無理でしょう。

 

流入効果はスライスに直交するとき、最大になります。

血管の走行が頭尾方向から左右方向に変わる鎖骨下動脈などでは、

TOF-MRAは苦手なのでPC-MRAが使用されます。

 

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カテゴリー: MRI