SSFP
今回は、SSFP(steady-state free precession)です。
日本語では定常状態自由歳差運動です。
漢字で書くと難しい。
GREでは、TRを短くしてT1強調像を取得しています。
T1強調にしたいので、残存横磁化をなくすことがGREの特徴です。
SSFPはこの残存横磁化を利用します。
そして、TRをごく短くすると3つのエコーが重なります。
FID、SE(Hahn echo)、STEです。
1つのRFで発生する信号がFID。
2つのRFで発生する信号がSE(Hahn echo)。
特別に90-180度パルスの場合がSEで、
それ以外のα-α度パルスで発生するechoがHahn echoです。
3つのRFパルスで発生する信号がSTE(stimulated echo)です。
この3つの信号まとめて収集するのが、
True SSFPやBalanced SSFPなどです。
Balancedというのは一つのTR内で傾斜磁場が正負対称で、
バランスがとれているからです。
Balanced SSFPではきっちりSSFP状態にしなければアーチファクトがはげしく発生するので、
RFの正確さや静磁場均一性、TRを短縮できる装置の性能が問われます。
Balanced SSFPはGRE系にもかかわらず、flip angleは大きく設定します。
1.5Tでは90度とかですね。
コントラストは強いT2強調になります。
使用目的は冠動脈や門脈、腎動脈などの血管系、心臓のcineなどですね。
撮像時間が短いのにSNが高いことが利点です。
3TではSARの制限や磁場の不均一などで、
Balanced SSFPは少し苦手になります。
以上です。