MRI PC-MRA
PC-MRA
TOF-MRAよりわかりにくいですね。
PC-MRAは「Phase contrast MRA」です。
その名のとおりphase=位相です。
位相の差で血管を表しているわけです。
他の撮像との違いは流速エンコードがあることです。
それだけです。
おー簡単!
もうちょっと説明がいりますね。
流速エンコードをしないと血流信号はでません。
流速エンコードを印加すると血流信号も検出できます。
この流速エンコードをありとなしで差分します。
すると血流だけの画像ができます。
これがPC-MRAになります。
流速エンコードをすると血管だけの信号が検出できそうな気がしますが、
残念ながら静止組織も位相シフトが生じてしまい、
静止組織の信号もでてきてしまいます。
そこで、差分するわけです。ここ大切なところ!
PC-MRAは時間がかかる。
PC-MRAは4種類撮像している!
流速エンコードなしと3方向の流速エンコードを印加した画像です。
だからTOF-MRAより時間がかかってしまいます。
そのかわり、差分するので背景信号がゼロになります。
TOF-MRAなら血腫などのT1の短い組織からの信号は消えませんが、
差分するPC-MRAなら信号ゼロです!
もちろん脂肪の信号もゼロです。
TOFなら完全にゼロにはなりません。
これはすばらしいことです。
流速の遅い静脈の描出が得意!
TOFは静止組織との信号差のつきにくい静脈の描出が苦手ですがPC-MRAは得意です。
もちろん遅い流速にも限度はありますが。
流速エンコードはユーザーが強さを決めないといけない!
静脈なら静脈の、動脈なら動脈の流速を決めることで流速エンコードの強さが決まります。
目的とする最大の流速に設定しないといけません。
最大流速をこえると、流速が折り返して正確な流速が表現できません。
ですが、これは流れの方向を正確に知りたい場合です。
単純にMRAが欲しいだけなら、だいたいの流速で大丈夫です。
まとめ
PC-MRAはTOF-MRAと比較して、
流速エンコードあり、なしの画像が必要なので時間がかかる。
差分するので、静止組織の信号がゼロになる。
遅い流れが得意。
以上、PC-MRAでした。
そんなに難しくないでしょ?