GRE
GREはgradient echoのことです。
SEとの違いは180°再収束パルスを使用しないことです。
これにより撮像時間が短縮します。
SEでは、通常90°励起パルスを使用しますが、GREではそれより小さいflip angleを使用します。
どの程度のflip angleに設定するかは、TR、対象組織のT1値で決まります。
これをエルンスト角と呼びます。
たとえば、TRが20ms、対象T1値が600msとすると、エルンスト角は15°程度になります。
SEのように90°パルスを用いない理由は、T1回復に時間がかかり、echoが弱くなるからです。
gradient echo特徴は、
1. 高速撮像
2. 血管が高信号
3. 磁化率に敏感
の特徴があります。
高速撮像はTRが5~100msになりますので、SEよりも圧倒的なスピードがあります。
息止めで、T1強調が撮像できるのはgradient echoのおかげです。
血管が高信号になるのは再収束パルスを用いないためです。
SEでは、90-180°パルスを印加する間に血液が流れていくので高信号にはなりません。
これをFlow voidと呼びます。
また、再収束パルスを用いないため、磁化率の変化に敏感になります。
gradient echoで撮像したT2強調は、T2*(スター)と呼び、過去の出血の評価に用います。
早期だと磁化率の変化が小さいため、FLAIRやCTのほうが適しています。
コントラストはflip angleが小さいとプロトン密度、大きいとT1強調になります。
TEはSEと同様に短いとT1強調、長いとT2強調になりますが、
実際には、TRと対象組織で変わります。