MRI FLAIR

投稿者: | 2017年8月14日

MRI FLAIR

 

今回は、IR法のなかでFLAIR法です。

FLAIRは、fluid attenuated inversion recoveryの略です。

液体信号を弱くした反転回復法です。

 

なんか日本語難しい!

fluidは古井戸ではありません(笑)。

たまに古井戸があったら叫びたいときありますね。

「王様の耳は何とかー!」とか。

たまにはたまったストレスを吐き出しましょう!

近所の古井戸で。

 

では、本題。

簡単に言うと、液体信号をおさえて、

微妙な水信号を強調する方法です。

つまりgainですね。

強い高信号がなくなると、

弱い高信号を強調するようにMRIはできています。

脂肪抑制と同じように。

 

通常のT2強調であれば、水信号は高信号となり水信号を検出したければ、

それで十分です。

ですが、それではわかりにくい場合があります。

例として、脳を考えます。

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高齢者の脳では、T2強調で高信号は普通に存在します。

ここで、わりと急性期の脳梗塞、炎症など微妙にT2延長をきたす所見は

T2強調で描出されますが、わかりにくいのです。

 

今、おこっている所見ではなく過去の所見も高信号になるので区別がつきにくいのです。

そこでFLAIRの登場です。

T2値の長いものをゼロにして、

ほどほどのT2延長所見だけみやすくするのです。

 

また、脳脊髄液の信号をゼロにするので、

くも膜下出血など微妙に脳脊髄液に血液がまざっている場合も鮮明に描出できます。

急性期の脳梗塞はDWIが主役ですが、

それ以外の場合FLAIRが最も役にたつのです。

 

パラメータの設定としては、TIはゼロにしたい物質のT1×0.693です。

水のT1は3000~4000ms程度なので、4000×0.7として2800ms程度です。

ここでこの関係が成り立つのは、T1が回復していることが前提になります。

よって設定TRは10000msくらいが適当です。

 

もちろんTRを短くし、TIを短くすることによってぱっと見、

FLAIRの画像は取得できますが、

病変のコントラストは低下するので、おすすめできません。

 

またTEを120ms程度と水を強調するように長く設定します。

TEを120msと長く設定しているわりには、

脳実質信号はT2強調画像とはまったく異なります。

これは、IR法を用いているのでT1の成分もはいるからです。

 

また、STIRでは絶対値画像表示を行いますが、

FLAIRでは水がもっともT1値が長いので、その必要はありません。

他の信号はすべてプラスになっていますからね。

 

また、FLAIRでそれぞれのスライスの信号が異なる場合があります。

これはクロストークによるものです。

反転パルスでスライス面のみ印加するのは、かなりむずかしいみたいです。

実効TRがバラバラになっているといことです。

 

3Tで第4脳室などの脳脊髄液の信号が抑制できないのは、

その部分の流速が速いためです。

反転パルスを印加しても、脳脊髄液が流れてしまい、

パルスの当たっていない脳脊髄液が流入してしまうのです。

これも完全に防ぐことは困難です。

 

 

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カテゴリー: MRI