MRI クロストーク
MRIコーナーです。
今回はクロストークです。
日本語で言うと混線です。
これは目的とするスライスだけでなく、隣のスライスも励起してしまうことです。
これにより、設定TRよりも短いTRになっていまします(実効TR)。
特に、TRを長く設定するT2強調やFLAIRなどで問題となります。
同じシリーズのT2強調やFLAIRで信号強度が異なる理由はまさにこれです。
T1強調だとTRが短くなることは、あまり問題になりません。
クロストークの影響は、
小さい場合、T2強調であまりT2強調にならなくなる。
大きい場合、信号がなくなるなどです。
防止するには、励起順序を変えることです。
1、2、3、4スライスとか順番に励起すると最も影響が大きいです。
よって、1、3、5、などの1スライス飛ばしとか、
1、5、9、13とか全スライス数のルートの整数分だけ飛ばすなどがあります。
(20スライスなら4枚飛ばしですね)
もっとも大きいのが完全に励起グループを分けることです。
これはクロストークの影響がなくなります。
が、その分撮像時間が何倍にもなります。
腰椎の横断像などで、椎体の並びがガタガタでおもいっきりクロストークの影響がある場合は、
5つのグループに分け、TRを2000msなど短く設定して撮像するのもありかと思います。
また、脂肪抑制画像で1スライス目だけ脂肪抑制が効かないこともクロストークの影響です。
先発スライスはTR無限大で、2スライス目からは実効TRになるので、
どうしても1スライス目の信号が強くなっていまします。
これを防ぐ方法はありません。
どうしてもという場合、1スライス目を捨てることです。