chemical shift artifactはchemicalがshiftするartifactですね(笑)
これは水と脂肪の共鳴周波数がずれていることに起因します。
MRIは水を基準に画像を作成します。
そして、脂肪の共鳴周波数が3.5ppmずれているので、
その分、本来の位置からずれた場所に脂肪が画像化されます。
このppm表示は、静磁場にかかわらず一定です。
しかし、Hz表示にすると変わってきます。
具体的な共鳴周波数差は3.5×10-6γB0になりますので、
静磁場の強さに依存するわけです。
1.5Tでは223.5Hz、3Tでは447Hzになります。
たとえば、バンド幅220Hzの場合だと1.5Tでは223.5/220=1pixel、
3Tでは447/220≒2pixel脂肪が水より低周波数側にずれます。
このバンド幅は周波数方向ことなので、artifactは周波数方向にでます。
ちなみにEPIではバンド幅は1600Hzとかになりますので、
chemical shift artifactはでません。
440/1600だと1より小さくなりますからね。
しかし、EPIでは位相方向にもバンド幅が存在します。
これが20Hzとかになります。
計算しますと3Tなら440/20=22 pixelになります。
このためEPIのみ位相方向にchemical shift artifactがでます。
それも20 pixelなど、おもいっきりずれた場所にでます。
よって、EPIでは脂肪抑制は必須になります。