こんにちは、つよしです。
MRI装置がアップグレードして1ヶ月。
ずいぶん使いこなせるようになってきました。
アップグレードのメインは圧縮センシング(CS)でした。
でも、それ以外にも役に立つものがありました。
それがmDIXON TSEです。
mDIXON FFEは以前から使用できました。
1度の撮像でin phase、out of phase、water only、fat only画像を取得できる、すぐれものです。
それがTSEでも使用できるのです。
結構、前からあったと思うのですが、私の所属する施設で使えるようになったのは1ヶ月前です。
1度の撮像でSE系のT2W、T1W、PDWでin phase、out of phase、water only、fat onlyが取得できるのですから
実際はT2Wではin phase、water onlyしか必要なさそうですが。
これの何がすごいって、どの部位の脂肪も均一に抑制できることです。
ケミカルシフトを利用すると頸部や足など磁化率の変化がはげしい部位の脂肪抑制が効かないのは常識でした。
それが、どの部位でも使えるのです。
これは目からウロコです。
従来はT2WとSTIRの2種類を撮像していたのが、mDIXON TSEがあれば1度で2種類取得できるのです。
欠点はmDIXON FFEとは異なり撮像時間が倍になるところです。
だったらあまり意味がないかと思いますが、それをCSで補うのです。
2倍になる時間を1.5倍よりも短くできます。
それでいて脂肪抑制は完璧。
MRIの進化に驚くばかり。
アップグレードしてよかった。
浦島太郎になるところでした。
MRI装置を買い替えるのは10年に1度もできません。
でも、ソフトの更新は定期的にすべきですね。
費用がかかるので簡単ではありませんが。
ホントにアップグレードしてよかった。
こんな感じで脂肪抑制がどの部位でも使えるようになると、ほかの脂肪抑制がいらなくなるかもしれませんね。
教科書的にはIR法、CHESS法、DIXON法など出てきますが、出番はとても少なくなりそうです。
知識としては必要かもしれませんが。
昔は職人的な技術が必要だったMRI。
でも、どんどん簡単になり知識も必要でなくなるかもしれませんね。
誰が撮像しても同じ画像のほうがいいですから。
ただ、mDIXON TSEは2回撮像するので動きのあるところには弱い。
このため全部がmDIXON TSEに置き換わるわけではなさそう。
ただ、とりあえず動きの少ない部位ではmDIXON TSE一択でよさそうです。
STIRを多用していたのがなつかしい。
整形系で使用するPDWにもmDIXON TSEはかなり使えそう。
これからは脂肪抑制画像は追加ではなく、常に撮像してるシーケンスになりそう。
以上です。
さようなら!