今回は、EPIの位相方向のバンド幅についてです。
通常、周波数方向しかバンド幅は存在しませんが、EPIには位相方向にも存在するんですね。
なぜかと言うとk空間を一度に充填してしまう、single shotだからですね。
SEやGREだと、周波数方向ごとに信号がとぎれてるのですが、
EPIですと連続して信号収集するので位相方向にもバンド幅の概念が発生するんですね。
これが、EPI独特のおおきなゆがみの原因になります。
またchemical shift artifactの原因にもなりますが、これは脂肪抑制により防止できます。
そして、この位相方向のバンド幅が大変小さいことが、
おおきなゆがみの原因になります。
たとえば、私の使用している装置ですと
周波数方向のバンド幅は1668.9Hz/Pixelで、
位相方向は13.6Hz/Pixelとなっています。
この周波数の小ささがゆがみの原因です。
脂肪がchemical shiftするのと同様に考えてよいです。
そして、ゆがみを防止するのは収集データ量を少なくすることにつきます。
具体的には、
- Parallel imagingを使用する
- Frequency encode数の減少する
- Phase encode数の減少する
これだけです。Trade-offとして、Parallel imagingを使用するとSNの低下、
Matrixを減少すると画像の分解能が低下します。
ですので、
ゆがみとSN、分解能の折り合いをつけるところがポイントです。
これは、部位、装置、コイルそれぞれによって変わってきます。