MRI パラレルイメージング
今回はパラレルイメージングについてです。
パラレルイメージングは、高速撮像のキモですね。
これにより、息止めでの肝臓T1強調などが可能になっています。
パラレルの意味は同時に別々のコイルが信号を受信するということです。
Parallel imagingは位相エンコードを間引く技術です。
SENSEについて説明します。
例えばSENSE 2倍速に設定すると、k-spaceを1行飛ばしに充填します。
これにより撮像時間が半分になります。
ですが、FOVは半分になります。
このままだと長方形FOVとかわりません。
長方形FOVと異なるのは1行飛ばしというところですね。
(ちなみに3倍速なら2行飛ばしですね)
このまま画像を作成すると折り返しが発生した画像になります。
2倍速ならFOV半分になり、それを展開することになります。
なぜ、こんなことができるかというと、
あらかじめ撮像しておいたリファレンススキャンデータを利用するからです。
本番の撮像の前に高速でリファレンススキャンを行います。
これによって本来撮像していない画素データを計算します。
そして、折り返しのない通常の画像を作成します。
このSENSEの倍速をリダクションファクターと呼びます。
設定的にはコイルの個数分だけリダクションファクターを設定てきます。
8チャンネルコイルでは8倍速なんていうことも。
実際はSENSE2を超えると折り返しの展開精度が落ちてきます。
まぁ3倍くらいまでですかね(装置とコイルによりますが)。
もちろん、パラレルイメージングを使用するとデータ取得数が少ないのでSNは低下します。
SNの低下の式はSN=1/√(リダクションファクター)になります。
さらにジオメトリーファクターという要素もはいってきます。
これは位相方向にコイルが並んでいるかどうかです。
SENSEの展開精度はコイルがきれいに対向しているときが、
もっとも展開精度がよくなります。
コイルが位相方向にたいしてずれているとき、
ジオメトリーファクターは大きくなります。
ジオメトリーファクターを考慮したSNの式は
SN=1/(ジオメトリーファクター×√リダクションファクター)となります。
基本的にはコイルが並んでいる方を、位相エンコード方向に設定しパラレルイメージングを使用し撮像時間を短縮していきます。
しかし、パラレルイメージングによる撮像時間短縮には限界がきたので、
圧縮センシングが登場したわけです。
最近の装置ではパラレルイメージングと圧縮センシングの両方を使用して撮像時間の短縮化を行っています。