磁気共鳴専門技術者試験 解答 第12回 6-10問目
こんにちは、つよしです。
今回は6-10問目です。
6) 同じFOV でマトリクス数を512×512 から256×256 に変更して、受信バンド幅を1/2 とした場合、SNR は何倍になるか選択して下さい。(正解1 つ)
- 4 倍
- 8 倍
- 4× √2 倍
- 4 / √2 倍
- 2 / √2 倍
正解は4です。
SNRの式はボクセル体積×√(位相エンコード数)×(周波数エンコード数)/BWになるので、2×2×√(1/2)×(1/2) / (1/2)なので4 / √2です。
ちなみに以前、指摘いただいたのですが、本によってはSNRの式が異なる場合があります。
おそらくこの式が正しいと思います。
7) MRI の画像評価について正しい文章を選択して下さい。(正解3 つ)
- 基本的にSNR とCNR は相関する。
- CNR はファントム温度に依存する。
- CNR は空間分解能の評価が可能である。
- 差分法のSNR は信号強度×√2/ 標準偏差である。
- パラレルイメージングでSNR を測定する時は、空中雑音法でなく、空中信号法を使用する。
正解は1, 2, 4です。
1はCNRをSNRから求めるものもあるので正解かと。
2はMRIの信号は温度にも依存するので正解。
3は無理でしょう。CNRはコントラストとノイズの関係です。
4はそのまま。
5のパラレルイメージングでSNRを測定するときは、信号と雑音を同一の位置で測定します。空中雑音も空中信号も間違いです。差分法ですね。
8) IEC62464-1:2007 に示されるMRI の空間分解能評価について正しい文章を選択して下さい。(正解1 つ)
- ファントムの角度は30~45 度が望ましい。
- スリット法によるMTF 測定が最も精度が高い。
- エッジを利用した濃度曲線を微分してPSF を作成する。
- 周期的に並べたファントム画像のROI 内のSD から算出する。
- 測定法はAAD(absolute average deviation)法が有効である。
正解はわかりません。すいません。
IEC62464-1:2007を見ることができませんでした。
JIS Z 4952:2012よると、10~15°と記載があります。
分解能は平均信号値とSDから求めるようです。
よって1, 4は違うようです。
2のMTFはMRIでは、きっちりできないようなので2も違うと思います。
ということで3か5かなということになります。
9) スピンエコー法と比較した場合、高速スピンエコー法の特徴を選択して下さい。(正解3 つ)
- 脂肪が高信号になる。
- 磁化率効果を受けにくい。
- 軟部組織のコントラストが低下する。
- 撮像可能マルチスライス数が増加する。
- T2 フィルタリングによりT2 値の短い組織が強調される。
正解は1, 2, 3です。
1, 2, 3ともFSEの特徴ですね。
4のマルチスライス枚数は増加するわけではないですね。
1スライスを得る時間が短縮されます。
5のT2フィルタリングのせいでT2の長い組織が強調されます。
いくつもエコーを収集するときの後の方のエコーではT2値の大きいものしか信号を出さないので、軟部組織の信号は低下してしまうのです。
10)グラディエントエコー法(GRE)について正しい文章を選択して下さい。
(正解3 つ)。
- Ernst angle はT1 値とTR から求まる。
- DESS(dual echo in the steady state) は動きに強い。
- Balanced SSFP 法の信号強度はT1 値/ T2 値に比例する。
- スポイルドGRE は残留横磁化の影響を無視することができる。
- TR を短縮するとSSFP(steady-state free precession) になる。
正解は1, 4, 5です。
1のエルンスト角はexp(-TR / T1)なので正解です。
2のDESSは2つのエコーから画像を作成するので、動きに強いとは言えません。
3のバランスドSSFPの信号強度はT2 / T1に比例ですね。
4, 5のそのまま。
たった1問だけでGRE法の特徴を語っているいい問題ですね。
性能評価問題は難しいですね。
試験のためだけに覚えるのはつらいかもしれません。
以上です。
さようなら!